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40年超運転の美浜3号機、23日に停止 長期展望開けぬ原発政策

 運転開始から40年を超える関西電力の美浜原発3号機(福井県美浜町)が23日、運転を停止する。設置が義務付けられているテロ対策施設の工事が期限の25日までに完成しないため。足元では今冬の電力供給に一定のめどが立っているが、長期的には原発政策の不透明さが増す。経済界からは政府に対し、原発を積極活用する姿勢を示すよう求める意見が根強い。

 美浜3号機は6月、東京電力福島第1原発事故後に「原則40年、最長で延長20年」のルールができて以降、運転開始から40年を超えた原発として全国で初めて再稼働したばかりだった。関電はテロ対策施設の工事を急ぎ、来年10月の運転再開を目指している。

 約1年間の停止となるが、今冬は安定供給の基準とされる予備率3%は確保できる見通しだ。

 一方、国の次期エネルギー基本計画の素案で、原発新増設やリプレース(建て替え)などの記載は見送られ、「可能な限り原発依存度を低減する」方針が据え置かれた。主力電源化が目指される再生可能エネルギーと対照的だ。

 岸田文雄首相は2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする政府目標を維持するが、新増設には「議論したうえで方針を決める」と慎重だ。

 再エネの活用がさらに拡大することになるが、経済界からは「国民生活や産業競争力に悪影響を及ぼすエネルギーコスト上昇につながらないか懸念している」(関西経済連合会・金花芳則副会長)などの指摘が出ている。

 電力業界には「方針が示されないと原発事業が進められない」との不満がくすぶっており、関電の森本孝社長は「原子力をしっかりやっていくことがゼロカーボン実現に不可欠だと思っている」とくぎを刺している。(岡本祐大)

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