国内自動車生産、900万台維持へ 円安で輸出採算改善

2013.5.1 08:00

 日本自動車工業会が30日に発表した2012年度の国内生産台数(バス、トラック含む)は前年度比3.1%増の955万4400台と3年連続で増加した。

 このうち軽乗用車は161万1898台と1996年の統計開始以降で過去最高を記録した。13年度生産見通しは公表していないが、「国内販売は想定より上回る」との声もあり、採算が改善する輸出とあわせて900万台を維持しそうだ。

 これまでに13年度国内販売見通しをまとめたホンダなど4社のうち、3社が前年度実績を上回るとした。

 前年度シェア2位のホンダは19.2%増の82万5000台を計画している。竹内弘平執行役員は「(今年の新車販売台数は)500万台を維持するのではないか」との見通しを示し、自工会が1月に予測した前年比11.7%減の474万400台との需要見通しを上回ると予想する。

 13年度国内販売では、マツダが4000台多い22万台、軽自動車の販売増を見込む三菱自動車は1万4000台増の14万8000台と設定。一方、他社の新車攻勢で販売減を予想するダイハツ工業も63万台で3%減に過ぎない。

 「国内需要が伸びることはないなかで、販売を伸ばすのはしんどい」(三菱自動車の益子修社長)との声もあるが、底堅い軽自動車販売に加え、円安による輸出採算も改善。

 好調な海外販売を補完する役割を国内生産が担う動きも広がりそうで、国内生産の輸出比率が8割のマツダは13年度国内生産を前年と同水準の「85万台をベースに考えている」(山内孝社長)。

 トラック(軽トラック除く)も、東日本大震災の復興需要に加え、03~06年に東京都の排ガス規制で購入したトラックの更新需要が顕在化、前年を上回る可能性が指摘されている。

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