レクサスなど輸入・国内高級車が快走 「安全」「走り」で存在感

2013.9.3 05:35

 軽自動車を除く国内新車販売台数に占める輸入車(日本メーカーの逆輸入車を除く)の1~8月の割合は8.1%と過去最高だった今年上期(1~6月)と同数の高水準が続いている。国内メーカーでもトヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」販売は8月、3カ月ぶりに増加した。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」効果も加わり「安全」や「走り」にこだわった高価格帯である輸入車や国産高級車の存在感が増している。

 日本自動車販売協会連合会が2日発表した1~8月の輸入車販売台数は前年同期比13.6%増の17万2762台。8月だけでも前年同月比19.1%増の1万9582台と16カ月連続で増加した。

 独メルセデス・ベンツは、排気量1600ccからの小型車「Aクラス」(価格284万円~)や「Eクラス」(595万円~)などの販売が牽引(けんいん)。「Aクラスは新規顧客が増え、全体では安全装備などが評価を得ている」(企業広報課)と手応えをつかむ。

 また、7月の新車販売台数が2004年7月以来の5000台を突破した独フォルクスワーゲン(VW)は、6月発売の新型「ゴルフ」(249万円~)が高い安全装備などが支持され好調だ。フェラーリやランボルギーニといった1000万円超の高級車販売も「引き続き好調」(販売店)という。

 国内メーカーでは、トヨタの「レクサス」が好調だ。8月販売は前年同月比5.1%増の3431台と3カ月ぶりに増加。5月発売の新型「IS」(420万円~)に設定したハイブリッド車(HV)が牽引したとみられる。

 売れ行きが好調な高級車だが、現状では来年4月の消費税増税を見込んだ駆け込み購入は見当たらないという。ただ「購入の中心が富裕層とはいえ、余計な出費は抑えたいという傾向は根強い」と輸入車担当者は分析する。1997年に消費税が3%から5%に引き上げられた際、一部輸入車で販売が減少した。このため「どうしても欲しいと思わせる圧倒的に強い車を出すことが重要」と話す。

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