新幹線“エクスプレス予約”一部サービス変更に「改悪」の声も

2013.10.17 15:00

 東海道・山陽新幹線の特急券などをインターネットで予約できる会員制サービス「エクスプレス予約」の乗車券の発売が18日で終了することになり、利用者の間で戸惑いが広がっている。

 これまで特急券と同時に購入できた乗車券が、今後は券売機や窓口に並んで別途購入しなければならなくなるためだ。

 利用者から「改悪だ」との声が上がる一方、ICカードや携帯電話を使いワンタッチで改札を抜けられるチケットレスサービス「EX-IC」の利用者には影響がなく、JR東海は「利用状況を考慮し判断した」としている。

 エクスプレス予約は、パソコンや携帯電話で新幹線を予約できるJR東海の会員制切符販売システム。1050円の年会費を払うと割引料金の「e特急券」を購入でき、発車時刻前であれば何度でも予約を変更できるなどのメリットがある。平成13年にJR東海がサービスをスタートし、JR西も18年から始めた。

 JR東海によると、これまでは新幹線のe特急券と一緒に同一区間の乗車券もセットで予約、購入できた。

 ところが、19日以降は乗車券を別途購入しなければならず、予約した切符を受け取れる指定席券売機や窓口に並んで切符を受け取る必要が生じるという。

 エクスプレス予約の会員は今年3月現在、約215万人。このうち、チケットレスサービス「EX-IC」の利用者は約7割に達している。乗車券の発売終了について、JR東海は「特急券と乗車券を同時購入する利用者が減っているため」と説明する。

 また、これまでも新幹線と同一区間でなければ乗車券を別途購入する必要があったため、兵庫県西宮市から東京都内に単身赴任している男性会社員(44)は「もともと乗車券は別に買っていたので不便になるとは思わない」と冷静だ。

 しかし、e特急券と乗車券を同時購入してきた利用者は戸惑いを隠せない。東京に実家がある大阪市の男性会社員(35)は「なぜサービスを改悪するのか。エクスプレスというのは素早く購入できるという意味ではなかったのか」と憤る。

 JR東海は「利用状況を考慮した結果なので、ご理解いただきたい」としている。

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