【トップは語る】サイフォーマ社長・ジャックヘンリー ピナスさん(53)

2013.12.26 05:00

 ■社員倍増、日本で基盤づくり急ぐ

 --経営資源を最適配分するプロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)ソフトを提供している

 「PPMは、プロジェクトの優先度をつける企業の意思決定ツールとして、戦略立案から研究開発、生産、マーケティングに至るまで時間とコスト、リソース(経営資源)の管理に有効だ。親会社の米サイフォーマ・コーポレーションは独立系最大手として、世界20カ国にPPMの専門家350人を抱え、顧客が策定したビジョンや目標の達成に向けてサポートしている」

 --日本市場の位置づけは

 「ネットワークを通じて情報を処理するクラウドコンピューティングの普及で、日本市場は変わりつつあり、PPM利用の潜在的ポテンシャルが出てきた。われわれは(ユーザーが必要なサービスだけを利用できる)『SaaS(サーズ)』環境を提供しており、小規模の企業でもすぐに始められる。顧客ニーズに合わせられる順応性や柔軟性も当社の強みだ」

 --需要の掘り起こしに向けた態勢は

 「日本法人の設立は2011年1月。東日本大震災の影響もあって現在の顧客数は9社だが、地道に顧客を獲得していく。そのため社員を現状の5人から最低でも3年以内に2倍に増やす。パートナーとなるコンサルティング会社も増やしていく。まずは強固な基盤を作る」

 --ユーザー層のターゲットは

 「あらゆる企業が顧客になり得る。政府機関や自治体など公共関連も予算の使い道を判断するために使っている。変わったところでは五輪の組織委員会。われわれが提供するPPMは開催までのスケジュール管理などに有効で、限られた時間とコストを最適活用できる。日本で開催される19年のラグビーワールドカップ(W杯)や20年の東京五輪にも有効なはずだ」

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【プロフィル】ジャックヘンリー ピナス

 Jacques-Henry Pinhas 仏エコール・サントラル・ドゥ・リヨン工学科卒。米オラクルや仏アルテミスなどを経て、2011年からサイフォーマ・インターナショナル執行副社長兼サイフォーマ社長。パリ出身。

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