“快適通信”で訪日客もてなし 総務省、スマホの技術認証緩和へ

2014.8.21 04:34

 総務省は2015年にも、訪日外国人を対象に、日本の技術認証を受けていない携帯端末を国内で使えるよう規制緩和する。20年の東京五輪に向けて増加が見込まれる訪日客に、自分のスマートフォン(高機能携帯電話)で日本滞在中の感動を交流サイト(SNS)などを通じて世界中に発信してもらう考え。スマホに差し込んで国内で通信できるプリペイド型SIMカードのレンタルサービスなども増え、訪日客に快適な通信環境整備が加速している。

 総務省が規制緩和を検討しているのは、「技術基準適合証明(技適)」と呼ばれる制度。スマホなどの新機種が出るたびに、各メーカーは国ごとに認証を取得しており、日本で使用するには同制度の認証が必要だ。

 認証を取得していない海外製端末も少なくなく、訪日客が知らずに使うことがあったが、本来は違法。ただ、訪日客をターゲットにした通信サービスを後押しするため、総務省は日本の周波数で通信できる端末に限定して、要件を緩和することにした。来年の通常国会に電波法の改正案を提出する。

 総務省では、携帯電話の国際ローミング料金の引き下げや、SIMカードの流通量拡大に向けた政策も打ち出している。こうした動きを受け、訪日客向けのビジネスも活発化してきた。

 NTTドコモは20日、訪日客向けの公衆無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」のお試しサービスを始めたと発表した。1週間(税抜き900円)と3週間(同1300円)の2つのプランを用意。富士山頂でも、高速のインターネットを使える。来年3月までの期間限定だが、本格展開も検討している。

 ソネットは同日、京都市交通局の案内所で、高速データ通信サービス「LTE」を利用できるプリペイド式のSIMカードの販売を始めた。格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションでの機内販売も好調で、今後も販路を拡充する方針だ。

 日本通信は21日から、音声通話とデータ通信を組み合わせたSIMカードの販売を始める。1枚9980円で、自分のスマホに差し込めば7日間利用できる。

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