パナソニックの乾電池エボルタ、今年は1トンの電車走行に挑戦

2014.10.14 19:20

 パナソニックは、アルカリ乾電池「エボルタ」を動力源にして、重さ約1トンの電車の車両を約8.5キロ走行させる実証実験を行う。11月2日に秋田県で行う本番に先立ち14日、都内で車両を公開した。

 この実験のために、長さ約4メートル、高さ約2.5メートルの車両を製作。単1形のエボルタ99本で動かす。11月2日は秋田県大館市で、現在は廃線になっている旧小坂鉄道の線路を走行させる。定員は10人で、駅で数回、地元の子供たちに乗り換えてもらいながら走る。

 同社の担当者が「構造、材料、工法で独自の技術を使って、長持ち性能とハイパワーを実現した」と強調するアルカリ乾電池のエボルタは2008年の発売以来、世界約80カ国で14億本を販売。国内では携帯電話やデジタルカメラなどで充電式の機器が増えているが、世界的にみると、電力供給が不安定な地域もあり、通常の乾電池の重要性は依然として大きい。このため、パナソニックは実証実験などでブランド力の強化を続けていく方針だ。

 同社は2008年の米グランドキャニオン挑戦以降、乾電池や充電池のエボルタを動力源とした実験「エボルタチャレンジ」を続けている。昨年はタカラトミーと共同で玩具「プラレール」を5キロ超走らせた。

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