ブレイク・フィールド社 井田正幸社長 ネット広告でベトナム進出、トップ狙う

2015.2.23 05:15

 新興市場として注目されるベトナムには、多くの日系企業が進出している。大手食品メーカー、コンビニエンスストアチェーンのほか、2014年にはイオンモールがホーチミン市に第1号店を出店。今年は高島屋もホーチミン市中心部に開店する。それに伴い、販売促進効果を高めるためのマーケティング戦略へのニーズが高まっている。インターネット広告代理店のブレイク・フィールド社は、進出した日系企業向けサービスを展開する全額出資の子会社を設立した。井田正幸社長は「日本と同じビジネスモデルで、ベトナムでトップを狙う」と意気込んでいる。

 --なぜベトナムに

 「インターネット広告代理店として、金融とヘルスケア分野に特化して国内トップクラスに成長している。今後、この分野で国内首位を目指すとともに、アジア市場にも事業を広げたいと思った。成長市場である東南アジア諸国連合(ASEAN)を調べて検討したところ、ベトナムは市場が大きいとともに成長が著しく、インターネット広告市場がまだ未成熟なので、トップを狙えると判断した」

 --これまでの取り組みは

 「13年8月に日本のことを伝えるベトナム語のフリーペーパーを発刊し、46万部を発行するベトナムを代表する全国紙に同梱して配布した。従来の日本のイメージである歌舞伎や富士山だけでなく、丸の内などの今の日本の都市型生活に焦点を当てた『カッコイイ日本』を伝え、若者に新たな興味と憧れを抱かせる内容だ。また、日本企業の紹介や日系企業の広告も掲載している。日本とベトナムは良好な関係を保っているが、新時代の両国の架け橋になるメディアを目指す。ノウハウが蓄積できたので、より事業を進めていこうと昨年12月に現地法人を設立した」

 --ベトナムでの事業展開は

 「ベトナムの人口は約9000万人だが、フェイスブックユーザーは約2400万人で、日本以上に活発に使われている。当社では日本と同様のサービスをアカウント取得から記事投稿まで一括でサポートする。現在、日系企業4社のマーケティングを担当している。15年9月期には売上高2000万円を目指し、16年9月期は1億円を計画している」

 --ベトナム以外の地域は

 「すでにタイではフェイスブックで日本を紹介するサイトを立ち上げている。今年中にタイ、インドネシアへの拠点設置も検討している。ある程度市場規模が大きく、競合が少ないところが候補地だ」(佐竹一秀)

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【プロフィル】井田正幸

 いだ・まさゆき 多摩大経営情報卒。1995年CSKベンチャーキャピタル(現ウィズ・パートナーズ)入社。2000年ブレイク・フィールド社を設立し、現職。43歳。千葉県出身。

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【会社概要】ブレイク・フィールド社

 ▽本社=東京都千代田区一番町7-1 一番町弘和ビル

 ▽設立=2000年5月

 ▽資本金=2410万円

 ▽従業員=40人(2015年1月末時点)

 ▽事業内容=インターネット広告代理店

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