【大塚家具お家騒動】委任状争奪戦で舌戦ヒートアップ 勝久会長「負けても再度株主提案する」 久美子社長「創業者は節度を持って…」

2015.3.14 07:00

 27日の株主総会に向け、委任状争奪戦を繰り広げる大塚家具の大塚久美子社長が13日、東京都内で記者会見し、大株主の米ファンドの支持獲得などを理由に、会社側提案の可決に自信を示した。一方、父親で創業者の大塚勝久会長も同日までに産経新聞の単独インタビューに応じ、株主提案への支持確保に向けた取り組みを強化する意向を示した。また、今総会で仮に敗れた場合は、次期総会で再び株主提案を行う考えを示した。(平尾孝、山口暢彦)

 勝久会長、久美子社長の一問一答は次の通り。

■勝久会長「社員の大半は私を支持」

  --株主総会まであと2週間となったが現状は

 「上場当時から大塚家具の株を持っている機関投資家や金融機関を訪問している。今回の騒ぎのおわびと株主提案について説明しているところだ」

 --機関投資家からの賛同は得られたのか

 「今はまだ説明をしただけだ。再度訪問して、支援を要請することになるだろう」

 --その他の株主の反応は

 「個人株主からは、議決権の委任状も届き始めている。激励と同時に『社員がかわいそうだ』とのおしかりも受けている。社員の大半は私を支持してくれている。従業員持ち株会は自由投票になったが、8割は支持してくれると信じている」

 --今回の問題で、企業やブランドのイメージが低下した

 「申し訳ないと思っている。ただ、このまま久美子社長が経営を続けると、大塚家具の経営はもっと悪化してしまう。2世代、3世代で家具を購入しようというお客さまに対し、コンビニエンスストアと同程度の小型店では商品を紹介しきれない。大型のショールームで、専門知識を持った社員が説明する必要がある。来場してもらうためにも、チラシや新聞広告は必要だ」

 --総会で株主提案が否決された場合は

 「株主は私を支持してくれると信じており、負けることは考えていない。仮にそうなった場合は、再度(次の総会で)株主提案することになるだろう」

 --両者の和解は

 「この状況(委任状争奪戦)になった段階で、和解はあり得ない」

■久美子社長「米投資ファンドの支持、心強い」

 「創業者の大塚勝久氏が作ったモデルは世の中を変え流通を変えた。私や社員にとって誇りだ。ただ私は多くのステークホルダー(利害関係者)に責任を負っている。これからの時代に、創業者が作った価値をどう残していくのか考えている」

 --株主総会が近づいている

 「新たに、世界的に著名な議決権行使助言会社グラス・ルイス社が会社提案を支持した。私の前回の社長在任時の業績を分析し、同業他社などより上回る内容との確認をいただいた。(年間80円に増額する)配当計画も、バランスを得たものだと評価された」

 --大株主の米投資ファンドも、支持を公式に表明している

 「心強い。ファンドは大量の大塚家具の株式を売却したが、株価高騰の機会に顧客利益を損なうことがないようにという、利益獲得のための行動だと理解している。その戦略について言うことはない」

 --他の株主の反応は

 「詳しいことは話せない。ただ、われわれが発表している中期経営計画の内容や、ガバナンス面での課題について、丁寧に訴えていきたい」

 --従業員持ち株会は、総会での自由投票を決めた

 「企業価値や会社のあり方に対し、社員が考えを深めるきっかけになればと思う」

 --仮に会社提案が可決されても、勝久氏から際限なく株主提案が出される恐れがある

 「理論的にはありうるが、節度を持っていただくことを望んでいる。会社としても、総会後の安定化のための施策はとっていくべきだと考えている」

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