大手百貨店4社、5月も全社増収 消費増税の反動増で、訪日外国人客の旺盛な消費も

2015.6.1 17:55

 大手百貨店4社が1日発表した5月の既存店売上高(速報値)は、前年同月比で全社がプラスとなった。消費税増税の影響で売り上げが大きく減少した前年同月の反動増による。気温が高く夏物商品が好調だったほか、富裕層や訪日外国人客の消費にも支えられた。

 増税前である2年前の平成25年5月と比べても、全社がプラスを確保した。

 三越伊勢丹ホールディングスは前年同月比9・6%増。消費税増税後の落ち込みが大きかった宝飾品、婦人雑貨の売り上げが3割近く伸びた。とくに、日本橋三越本店(東京)では、株高に伴う資産効果で富裕層の需要が旺盛で、百万円以上の宝飾時計が4割以上伸びるなど好調に推移した。

 J.フロント リテイリングは10・5%増加した。婦人服が15・2%、紳士服飾は9・7%伸びた。「気温の上昇で、婦人服で初夏向けのワンピースなどが好調だった」(担当者)という。

 そごう・西武も夏物が好調で3・9%増加。高島屋は9・6%伸びた。中国を中心とした外国人観光客の化粧品販売の好調などが押し上げた。高島屋の担当者は「企業業績の改善で夏のボーナスが増えるとの報道もあり、今後、中間層の方の来店機会が増えることに期待している」と述べた。

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