加藤精一会長が死去 岡三証券グループを準大手一角に

2016.1.22 05:00

 岡三証券グループ会長で、日本証券業協会会長も歴任した加藤精一(かとう・せいいち)氏が19日、心不全のため東京都内の病院で死去した。87歳。三重県津市出身。葬儀は近親者のみで行った。後日、社葬を行うが、日時や場所などの詳細は未定としている。

 慶大経済学部を中退後、父の加藤清治氏が創業した岡三証券(現岡三証券グループ)に1954年に入社。清治氏の死去に伴い、61年には32歳の若さで2代目社長に就任し、半世紀以上にわたり同社の社長、会長の座にあった。

 証券不況下の65年には本店を大阪から東京に移転。強い指導力を発揮することで、同社を三重県発祥の地方証券会社から準大手証券の一角に押し上げる役割を果たした。

 一方、97年の総会屋への利益供与事件で当時の4大証券のトップが軒並み引責辞任した流れの中で、同年8月には日本証券業協会の会長代行に就任。翌98年7月には、4大証券の出身者以外では初めてとなる同協会会長となり、2年間務めた。

 在任中は、株式委託手数料の完全自由化に向けた証券業界の意見調整に努めたほか、証券業界でつくる日本投資者保護基金の設立に奔走するなどした。

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