KDDI・田中社長、長期利用者向け割引プランは「なかなか方向感が…」

2016.3.15 06:21

 □KDDI社長・田中孝司さん(59)

 --田中社長は昨夏、「2年縛り」の契約で自動更新のないプランを検討する方針を示していたが、更新月を1カ月から2カ月に延ばすだけに後退した

 「更新月の延長だけでは利用者は満足しない。2年たてば自動更新にならないようにする。でも、自動更新をやめました、だけでは面白くない」

 --利用者にとって魅力ある料金プランとの抱き合わせにしたいということか

 「そうだ」

 --時期は

 「決まってない。内容、マーケット、システムに横串を通さないといけないのでなかなか決めにくい」

 --2016年度にはできそうか

 「できるだけ早く発表したい。16年度中になるだろうが、携帯電話市場が変わったから慎重になる」

 --NTTドコモやソフトバンクもやることになる。業績の良いときに先陣を切る考えはないのか

 「料金はあとで効いてくる。ここは慎重にならざるを得ない」

 --違約金なしで解約できる更新月を1カ月から2カ月に延長する施策はドコモが3月から始めた。KDDIは5月の予定だが、早める考えはないのか

 「ない。多分5月になる」

 --総務省は携帯電話の長期利用者への優遇策も求めている

 「考慮すべきポイントだが、当社は長期利用者向けにギフトを提供している」

 --長期利用者向け割引プランは検討していないのか

 「ノーアイデアだ。検討してはいるが、どうしていいのかなかなか方向感が出ていない。長期利用者向け割引は将来に対する減収を今、コミットすることになる」

                  ◇

【プロフィル】田中孝司

 たなか・たかし 1981年3月京大院修了。同年国際電信電話(現KDDI)入社。2007年取締役執行役員常務、10年6月代表取締役執行役員専務、同年12月より現職。大阪府出身。

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