2016.8.22 07:14
スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」の企画開発・運営に携わるポケモン(東京)、米ナイアンティックの幹部がフジサンケイビジネスアイの取材に対し、地方都市でアイテム(道具)を獲得できる場所が比較的少ないなど、都市部と遊びやすさに差がある状況を地方自治体との連携などで改善する方針を示した。将来的に、捕まえた「ポケモン」を利用者同士が交換できるようにするなどの新機能を追加する考えも明らかにした。
ポケモンの宇都宮崇人専務執行役員が都内で、ナイアンティックの川島優志アジア統括本部長が米国からテレビ電話で取材に応じた。
ポケモンGOは衛星利用測位システム(GPS)を使って、利用者が移動しながら架空の生物ポケモン(ポケットモンスター)を捕まえて遊ぶ。都市部にはポケモンを捕まえるためのアイテムを得る「ポケストップ」が多く、ポケモンの出現率も高い。
宇都宮氏は「地域で格差がある問題を解決したい」と強調した。ナイアンティックは今月、東日本大震災、熊本地震で被災した岩手、宮城、福島、熊本の4県と観光集客による復興支援で連携しており、「地方と都市の格差を解決する一つの手法だ」と指摘。「都市部の人が地方を訪ねたくなるような仕掛けも考えたい」と述べた。
ポケモンを交換できる新機能については、利用者が多いため、準備に時間がかかる可能性があるという。川島氏は「できるだけ早期に実現できるように取り組みたい」と強調した。
また、登場するポケモンの種類は現在150程度だが、「増やしていく」(宇都宮氏)方針。これまでのゲームやアニメに登場したのは720種類あり、徐々に追加されていく見通しだ。
ゲームファンの期待に応えられるように「奥行き」を深めると同時に、ゲーム初心者や高齢者も取り込んだ「間口の広さ」も維持していく考え。初心者の「難しい」という声に応え、遊び方を自然に覚えるように誘導する仕組みも取り入れる考えだ。
インターネットにつながる前のゲームソフトは「売って終わり」だったが、スマホ向けゲームは配信開始後の運営が極めて重要だ。川島氏は「長く楽しんでもらえるゲームに育てたい」と強調した。
宇都宮氏は「ルールやマナーを守って遊んでいただき、社会に受け入れられるサービスにしていきたい」と述べた。(高橋寛次)