部品メーカー、MRJ商用化で航空機産業に熱視線 「将来が約束されている」

2016.11.12 06:58

 国内の中小部品メーカーが、航空機産業に挑もうと熱い視線を送っている。MRJ(三菱リージョナルジェット)に使われる部品は約100万点に上り、関係企業の裾野が広い。世界の航空機需要は伸びており、MRJが商用化して生産を増強すれば参入の好機になるとの期待が大きい。

 10月に東京で開かれた航空見本市「国際航空宇宙展」には部品関連などの約800団体が集結、過去50年で最大規模となった。工程が多く難度の高い航空機部品の分野で、中小企業が単独で受注を得るのは難しい。得意の技術を持ち寄って共同で一貫生産する動きが出ており、今回はそうした団体の出展が目立った。

 「将来が約束された夢のある産業だ」。岐阜県では8月、県内のメーカー4社が地元銀行の支援を受け、エンジン部品の受注を目指して連合を結成。一角を担う岩田鉄工所(同県羽島市)の岩田勝美社長は、航空機産業の魅力を強調した。

 同じく参加したツカダ(同県関市)は、エンジンの吸音に使われる炭素繊維複合材の加工に強みを持っており「まずはMRJの仕事に関わることを目指したい」(塚田浩生社長)と意気込む。

 2015年に約2万機だったジェット旅客機の運航機数は、今後20年で2倍近くに増えるとの試算があり、部品の需要も大幅に拡大しそうだ。工作機械大手ヤマザキマザック(愛知県大口町)は今年9月、部品各社との商談用のショールームを新設した。

 ただMRJのライバル、ブラジル小型機大手エンブラエルは性能が高い次世代機の導入を急いでいる。MRJは設計変更に伴う納期遅れが懸念され、部品メーカー関係者からは「競争力を失わないようしっかりしてほしい」との声も聞かれた。

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