スクエニ「FF15」発売、据え置き復権へ 主人公と会話、最新AI採用

2016.11.30 06:26

 スクウェア・エニックスは29日、ドラゴンクエストシリーズと並ぶ大作ロールプレーイングゲーム(RPG)シリーズ最新作「ファイナルファンタジー(FF)15」を発売した。キャラクターが自分で考えて主人公と会話するなど最新の人工知能(AI)技術を採用している。スマートフォンにゲーム機の王座を奪われつつある中、据え置き型ゲーム機の復権に期待がかかる。

 生きているように

 新作ゲームのストーリーは青年4人の友情や成長がテーマ。戦闘システムは従来のシリーズと異なり、リアルタイムでキャラクターを操作するアクションRPGになっている。世界最先端のAI技術により、プレーヤーが操作しないキャラクターが自分で考えて安全な位置に移動したり、雨が降ると自然に空を見上げるなど生きているような動きをする。

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントのプレイステーション(PS)4と米マイクロソフトのエックスボックスワン(XboxOne)向け。価格は8800円(税別)。

 FF15は2006年に「13」の派生作品として開発がスタートし、13年に「15」に改題。10年間の開発期間を経てファンの手元に届いた。前作「14」からは6年ぶりとなる。

 この日、東京・秋葉原のヨドバシカメラマルチメディアAkibaで開かれた発売記念イベントで「15」のディレクターを務めたスクエニの田畑端(はじめ)氏は「FFは1987年の1作目から約30年の歴史がある。コンピューターの進化と共に作品も進化したが、プレーヤーが主人公になってストーリー体験できるのは1作目から変わらない。そこを大事にして15も開発してきた」と作品にかける思いを話した。

 「世界最高レベル」

 カドカワのゲーム情報ポータル事業本部長、浜村弘一取締役によれば「AIを採用したゲームでは世界に通用する最高レベル」という。

 発売記念イベントには、前日の夕方や夜から最大で約300人が列を作った。屋外特設カウンターではPS4とFF15のセットを購入する人も目立った。浜村取締役は「(今月11日発売した)『PS4プロ』(PS4より映像表現を強化)をFF15のために購入している人も多い。一方、PS4は値下げしたこともあり、さらに普及が進み、年度末までに500万台に達するのでは」と据え置き型ゲーム機の販売増を見込む。(大坪玲央)

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