【ケータイWatch】音楽愛する人に最高の音質を オンキヨーのハイレゾスマホ「GRANBEAT」

2017.2.6 06:34

 オンキヨー&パイオニアイノベーションズは、ハイレゾ音源の再生にフォーカスしたオンキヨーブランドの“ハイレゾスマートフォン”「GRANBEAT(グランビート) DP-CMX1」を2月下旬に発売する。価格はオープン価格。仮想移動体通信事業者(MVNO)やオンキヨー製品取り扱い店、オンキヨー直販サイトで販売される。MVNOとして取り扱いを表明している楽天モバイルは、一括価格が8万4800円(税抜き)と案内している。

 SIMを入れるべき

 グランビートは、DSD/MQA/FLAC/WAVのハイレゾ音源ファイルの再生に対応。同社製のハイレゾ対応のポータブルオーディオプレーヤー「DP-X1A」をベースに、スマホに必要な機能を搭載しており、aptX HDなど無線規格でも高音質な規格をサポートする。

 SIMロックフリーのAndroid(アンドロイド)スマホで、2つのSIMカードを同時に待受にできるDSDSをサポート。SIMカードスロットとは別にmicroSDカードスロットが用意され、最大256ギガバイトのmicroSDXCカードを利用できる。内蔵のストレージは128ギガバイト。

 DACを2つ搭載するツインDAC構成で、スマホでは世界初とうたうオーディオ用フルバランス駆動回路を搭載。ヘッドホン・イヤホン用として、2.5ミリで4極のバランス駆動に対応したジャックと、通常の3.5ミリステレオジャックの、2つの端子が搭載されている。

 本体内部は、DACとアンプからなるオーディオ回路部分を完全に独立させた基板で構成。特許出願中のシールド技術により、電波などのノイズ源から保護するといった対策が施されている。

 ボディーはアルミブロックからの削り出しで、左側面にはロータリーエンコーダー式ボリュームノブ、右側面には再生や曲送りに使うボタンを装備。全てのボタン・画面操作をロックする、スライド式のホールドスイッチも備える。

 グランビート発表会で宮城謙二社長は、同社がハイレゾ対応のポータブルオーディオプレーヤーの第1弾として2015年11月に発売した「DP-X1」の開発当初から、「これにSIMを入れるべき」という意見が社内で持ち上がっていたことを振り返った上で「なぜ音質に特化したスマホを開発するのか?」と自問する。

 「満を持して導入」

 同社のハイレゾへの取り組みは、コンテンツの拡充に注力しているのも大きな特徴。05年に開始した同社のハイレゾ音源配信サイト「e-onkyo music」は、現在までに日本の主要なハイレゾ音源配信サイトの一つになっており、楽曲数もここ数年で大きく拡大しているという。16年度は27万曲になる見込みで、17年度は30万~40万曲まで拡大する見込み。

 同社調べによれば、世界のホームオーディオの市場約3兆2000億円のうち、ポータブルオーディオプレーヤー(デジタルオーディオプレーヤー)とヘッドホン・イヤホンは、それぞれ約25%でほぼ同じ割合。この2種類にワイヤレススピーカーなどを合わせた“ポータブルオーディオ”市場は、全体の半分以上を占める巨大な市場になっているという。

 また、音楽の再生で使う機器の筆頭は、圧倒的にスマートフォンであるという調査結果も示し、ポータブルオーディオとスマートフォンの両方を実現する製品を「満を持して導入する」とした。

 同社ネットワークサービス事業本部の土田秀章本部長は、ターゲットユーザーは「スマホの音では満足できない人」とした上で、「音楽を愛する人に、スマホで最高の音質を楽しんでもらいたい。今までのスマホの中で一番いい音にしたい。ハイレゾだけでなくCDをリッピングしたもの、圧縮音源、ストリーミングも、いい音で再生したい。そこに企画とエンジニアの意図がある」とし、あらゆる音源をハイレベルに再生できる製品であることをアピールした。(インプレスウオッチ)

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