Queens Japan、人手不足の飲食店などに新サービス

2017.11.21 05:55

 ■スマホでセルフ注文、業務効率化

 システム開発と飲食店運営のQueens Japan(東京都中野区)は、顧客が自分のスマートフォンから料理や飲み物を注文できるシステム「スマコミ」を開発、販売を開始した。飲食業界では人手不足が深刻化しており、新サービスを導入すれば業務効率化やCS(顧客満足度)向上に結びつくのが売り物。飲食店だけではなく旅館やホテルなどにも営業攻勢をかけ、初年度300カ所、3年後には3000カ所の導入を目指す。

 スマホを活用したセルフ型の注文システムは、店によって支払い形態が異なったり、料理や飲み物の種類が多かったりといった理由で、これまで導入が難しかった。タブレット型のオーダーシステムが導入されるケースもあるが、中小の飲食店で約500万円の投資が必要とされ、普及が進んでいないのが現状だ。

 今回開発したシステムでは、スマホでQRコードを読み取ると専用画面が映し出され、オーダー追加や領収書発行、店員呼び出しに対応する。言語は日本語、英語、中国語、スペイン語などを選ぶことができ、訪日外国人客にも対応できる。注文するたびに、その日の支払いに使えるポイント抽選機能を導入しているほか、精算の際にはカードと現金の併用が簡単にできる。

 また、クラウド上で情報を管理しているため、リアルタイムで売り上げデータを把握することが可能。翌日の発注作業の効率化につながる。また、どういったメニューに人気が集まっているかを判別できるため、商品開発に反映することも可能だ。

 飲食店や宿泊施設の多くは人手不足に悩まされており、1人採用するのに10万円程度のコストを要するといわれている。また、飲食店のフロア店員は、注文対応に最も多くの時間を割く必要があるため、今回のシステムを活用すれば店員数を削減でき、経営の効率化を図ることができる。導入時の価格は20万円台から。

 中野で居酒屋「魚せん」を経営する小泉繁樹社長は「注文に追われていた店員が、『本日のお薦め』などの説明に時間を充てることができるようになる。結果として顧客とのコミュニケーションが円滑になり、サービス向上にもつながる」と話している。

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