「ロータリーエンジンの父」死去、元マツダ社長の山本健一氏

2017.12.25 20:41

 マツダの技術者として「ロータリーエンジン」の開発を指揮し、社長、会長を歴任した山本健一(やまもと・けんいち)氏が20日、老衰のため死去した。95歳。葬儀は近親者で済ませており、後日、「お別れの会」を開く。

 山本氏は大正11年に熊本県で生まれた。東京帝国大学(現東大)第1工学部を卒業し、昭和21年にマツダ入社。エンジンの設計などで頭角を現し、38年にロータリーエンジン研究部長に就任し、同エンジンの開発に携わった。当初は実用化が疑問視されていたが、粘り強く取り組み、同社が42年に発売した「コスモスポーツ」に小型・軽量で高出力のロータリーエンジンを搭載。量産化に成功した。

 同エンジンを搭載した車は平成24年に生産を終了したが、それまでの間、「RX―7」など歴代の名車に搭載され、同社の独創性を象徴する技術となった。

 取締役や新技術開発担当の常務などを経て、昭和59年に社長、62年に会長に就任。平成10年からは名誉相談役だった。

閉じる