スバル、18年3月期の販売台数、北米市場で過去最高更新 自動車大手で明暗

2018.5.12 06:08

 SUBARU(スバル)は11日、主戦場となる北米市場での2018年3月期の販売台数が9年連続で過去最高を更新したと発表した。今夏以降に新型車を矢継ぎ早に投入する効果を織り込み、19年3月期も前年実績超えを目指す。需要の中心がセダン系からスポーツ用多目的車(SUV)などの大型車にシフトする中、SUVが得意な三菱自動車やマツダの販売も伸長。対照的に需要変化に乗り遅れたトヨタ自動車やホンダは苦戦し、本業の営業利益に響く主力市場の攻略で明暗が分かれた。

 スバルは東京都内で同日開いた18年3月期連結決算の会見で販売実績を発表した。世界全体は前期比0.2%増の106万7000台。北米は1.0%増の72万8000台で、19年3月期は5.4%増の76万8000台と見込む。

 ただ、減速する北米市場での販売競争の激化を踏まえ、値下げの原資となる販売奨励金の積み増しや品ぞろえの拡充でテコ入れ。3列シートの新型SUV「アセント」を北米専用戦略車と位置づけてカナダと米国で今夏に発売するほか、年内にプラグインハイブリッド車(PHV)を米国に投入。吉永泰之社長は「営業利益率の向上に向けブランドをさらに魅力的にする」との決意を示した。

 マツダと三菱自の北米販売も18年3月期で前期比プラス。一方でトヨタは約3万台減の280万6000台となり、地域別の営業利益で北米が唯一のマイナスだった。ホンダは中国を牽引(けんいん)役に四輪の世界販売で3.4%増の519万9000台と過去最高となったが、北米は3.4%減と前年を下回った。またスバルの18年3月期連結売上高は、北米販売などの好調で売上高が2.4%増の3兆4052億円と過去最高。最終利益は22.0%減の2203億円で、昨年発覚した無資格検査問題の関連費用などを織り込み2年連続の減益となった。

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