“落し物”自動でプッシュ通知 MAMORIO、落下通知デバイス「FUDA」開発

2018.5.30 05:00

 ■シール型忘れ物防止タグ発売

 ノートパソコンなどに貼り付けておき、落としたり、忘れたりするとプッシュ通知で知らせてくれる「シール型忘れ物防止デバイス」が登場する。IoT(モノのインターネット)ベンチャーのMAMORIO(マモリオ、東京都千代田区)が、近距離無線通信規格、ブルートゥースを活用して開発した。

 従来は電子タグ(札)型で、SDカードより一回り大きく、財布などに入れておくには便利だったが、ノートパソコンなどに、貼り付けておきたいとの要望に応えた。

 同デバイスは「FUDA(フューダ)」で、6月1日から発売する。大きさは縦2.4センチ、横約3.6センチ、厚さ3.4ミリ、重さ3.4グラム。使い方は紛失したくないものの表面に貼るだけ。あらかじめスマートフォンに専用アプリをダウンロードしておくと、同デバイスがスマホから約60メートル離れた時点で、自動的にスマホにプッシュ通知し、落としたことを知らせる。

 色は白と黒の2種類。リチウムイオン電池を使用しており、電池寿命は約1年。一般販売用は表面に「MAMORIO」のロゴが刻印されているが、表面に情報を記載できる無地のタイプも法人向けとして用意した。価格は2980円で、同社のホームページや家電量販店などで取り扱う。

 マモリオは、東京急行電鉄が2015年に実施した起業支援プログラムへの参加をきっかけに、16年11月から半年間、渋谷駅の東急電鉄が管理する構内でマモリオの実証試験を行ったところ多くの鉄道会社が関心を示し、いまでは首都圏中心に200を超える路線の駅構内などにマモリオの受信装置がある。

 従来の電子タグ型は16年に販売を始め、累計で数十万個を売り上げた。17年9月からは、製薬大手のエーザイと共同で、認知症患者や高齢者向けにマモリオを活用した外出支援ツールを発売するなど、マモリオの機能を活用したサービスの水平展開に力を入れている。

閉じる