“香る”単語帳、開放特許活用で発売へ タイラが初のブランド商品、富士通の芳香発散技術使用

2018.7.27 05:54

 化成品の受注生産を主な事業とするタイラ(埼玉県所沢市)は、富士通の開放特許を活用しアロマによるリラックス効果が見込まれる“香る”単語帳を商品化した。同社初のブランド商品として8月に発売する。

 埼玉縣信用金庫(同熊谷市)が立ち上げた「さいしんコラボ産学官」が昨年度開催した「知財を活用した商品アイデア創出事業」発表会で、富士通の開放特許「芳香発散技術」を使用した提案で、最優秀賞を受賞した埼玉大学経済学部の学生アイデアを活用した。

 香りが脳に与える影響を考慮し、単語帳とアロマを組み合わせることで「香りの記憶で覚えて思い出す」をコンセプトに商品化した。広範に使える知財と判断、特許も出願した。さいしんコラボ主催による商品アイデア創出事業での商品化第1号となる。

 商品化に先立ち26日、特許を保有する富士通と商品製造先のタイラが開放特許実施許諾の締結式を行った。同社の立石淳社長は「自社製品の商品化は念願だった。開放特許など未知の分野へのチャレンジだったが、貴重なノウハウを築き上げることができた」と語った。

 香る単語帳は「FLAROMA(フラロマ)」として売り出す。第1弾は集中力とリラックス、リフレッシュの効果が見込める3種類の香りを各1000個販売する。香りを交換できるという。

 受験生の両親や祖父母などからのギフト需要を想定。ネット通販のほか、百貨店やセレクトショップの文具売り場や埼玉大などの大学生協でも販売する予定。ノベルティー需要も開拓していく。

 さいしんコラボは昨年度、地元・埼玉県の中小・ベンチャー企業に新事業創出を促すため、大手企業が保有する開放特許を活用した商品アイデアを学生から募集する事業を開始。今年度も同事業を継続する。

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