2018.8.2 05:00
□ロジザード・金澤茂則社長
ロジザードは、商品の在庫管理を支援するクラウドサービスを提供している。当初はアパレル業界向けだったが、幅広い業界向けにサービスを拡充した。入出荷、棚卸しといった業務効率化を実現し、Eコマース(電子商取引)市場の伸びもあって順調に成長している。7月4日、東証マザーズ市場に新規上場した金澤茂則社長に、今後の事業戦略を聞いた。
◆最短1カ月で開始
--対象となる顧客は
「Eコマース企業と、3PL(サードパーティー・ロジスティクス=物流アウトソーシング)企業で、1日当たりの取扱数量100~500件の中規模事業者が中心だ」
--ニーズとしては
「Eコマース企業は成長スピードが非常に速いため、できるだけ早く稼働させたいというニーズが強い。例えば健康食品はメディアで話題になると、翌日には10倍の出荷が必要になることもある。他社ではサービス開始まで半年かかるところを、当社は最短1カ月で始められることで要望に応えている」
--他社との違いは
「短納期に加え、標準化システムによって低価格で導入できる点だ。在庫管理支援クラウドサービスの先駆けとして、運用ノウハウを長期間蓄積してきた。運用開始時は必要最低限の投資で済む。365日手厚くサポートしている」
--上場理由は
「市場の信頼を得るためだ。当社は顧客のデータを取り扱うので、安心して利用してもらうためにも、株式を公開した方がいいと考えた」
◆省力化へ他社と連携
--業績は堅調だ
「クラウドサービスを利用する顧客の月額利用料収入によって安定して業績を伸ばし、売上高は17年6月期まで10期連続増収となっている。18年6月期の売上高も前期比22.9%増の13億1900万円。営業利益が同52.8%増の1億3600万円と増収増益を見込む。まだ、Eコマースに参入する事業者も多く、そういった顧客のニーズに応えることで順調に業績を伸ばしたい」
--今後の展望は
「Eコマース利用の急増により事業者の物流量が拡大し、人手不足が深刻化している。ますます自動化、省力化のニーズは高まっていくため、他社のシステム・機器との連携を進めて、さらに低コスト化したい。また、インターネットと実店舗の販売を融合させるオムニチャネル市場が年5%以上の成長を続けると見込まれるが、各店舗や倉庫の在庫データを提供し、販売機会を最大化するサービスをスタートさせる。これらの付加価値をアピールし、新規サービス導入企業の拡大を図っていく」
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【プロフィル】金澤茂則
かなざわ・しげのり 1990年福田屋洋服店(現アダストリア)入社。2001年ロジザードを設立し、現職。51歳。茨城県出身。
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【会社概要】ロジザード
▽本社=東京都中央区日本橋人形町3-3-6
▽設立=2001年7月
▽資本金=2億3926万円
▽従業員=72人(2018年6月末時点)
▽売上高=13億1900万円(18年6月期見込み)
▽事業内容=クラウドサービス、情報システムの開発・販売、物流・小売り業務コンサルティング