18年度グッドデザイン賞 作品展示会 ベンチャーのアイデア多数

2018.10.30 05:53

 日本デザイン振興会による2018年度グッドデザイン賞の受賞作品を一堂に集める展示会「グッドデザインエキシビション2018」が、31日から11月4日まで、東京都港区の東京ミッドタウンで開かれる。受賞作品にはベンチャー企業ならではのユニークな感性を持ったもの、さらには社会課題の解決を目指したサービスなども数多くみられる。

 二輪車ベンチャーのglafit(グラフィット、和歌山市)が開発したハイブリッドバイク「GFR-01」。見た目が自転車、中身は電動バイクというこの二輪車は、電動ならではの静音性、指紋認証を使った電子鍵といった技術面だけでなく、さらに小さく折り畳めて車のトランクなどにも収納できるといった、使い勝手の良さも評価された。

 おしぼりレンタルのFSX(東京都国立市)のおしぼり冷温庫「REION(レイオン)」は、世界で初めて空気の流れを使って、おしぼりに効率的に温度を伝える技術を開発。従来の2、3倍の速度でおしぼりを冷やしたり、温めたりできる。デザインにもこだわり、美容室やオフィスに置いても違和感ないものに仕上げた。

 東京大学発ベンチャーのpopIn(ポップイン、同港区)のスマートライト「アラジン」は、40~120インチサイズで投影できるプロジェクターと高音質スピーカー、シーリングライトが一体化した照明器具。手持ちのスマートフォンとの連携で、さまざまな動画や画像が寝室の大画面で楽しめる。

 グッドデザイン賞では、製品だけでなく、具体的な形のないソフトウエアやサービスも選考対象となった。

 社内での情報共有を目的として使われるグループウエアの開発を手掛けるサイボウズの「kintone(キントーン)」は、業務効率上のアイデアなどをクラウドベースで共有をしやすくする。BizteX(ビズテックス、東京都港区)の「cobit(コビット)」は帳票の入力などの単純作業をソフトウエア上のロボットが行う。両方とも、業務効率化などの働き方改革につながるソフトとして、多くの企業で活用されている。

 また、日本クラウドキャピタル(同品川区)の株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO(ファンディーノ)」は、不特定多数から資金を集めるクラウドファンディングを活用して、創業初期のベンチャー企業に資金を供給する。知名度が低く、実績がまだほとんどない創業初期のベンチャー企業にとって、最初の資金調達は大きな経営課題だが、このサービスの登場で、起業へのハードルが大きく下がったといえそうだ。

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