トラックで全国行脚 シャープの最先端家電を展示 50年ぶりにキャラバン

2018.11.9 13:54

 シャープは9日、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)を融合させた冷蔵庫、オープンレンジなどの家電を紹介する移動式展示車「COCORO+(ココロプラス)キャラバントラック」の運行を開始した。同日から来年3月末まで、都市部を中心に全国の約60カ所の量販店などに展示する。

 シャープは約50年前に、電子レンジの販売促進のため、車内に台所を設けて調理の実演販売を行う「キッチンカー」を運行しており、それ以来の移動式展示車となる。

 キャラバントラックは荷台部分をガラス張りの展示室とし、冷蔵庫、オーブンレンジ、テレビ、エアコンなど家電9種類を積載。テレビのリモコンを通信機として活用でき、例えばオーブンレンジに話しかけ「おすすめの料理」を聞くと、冷蔵庫の中に入っている食材を使って作れる料理がテレビ音声で提案される。

 これらの家電をシャープは「AIoT機器」と題して販売。11月現在で10種類150機種以上がある。繰り返し使うと人工知能が生活パターンを学習し、エアコンであれば利用者好みの温度設定をするようになる。利用者が家電に知性を感じ、愛着を高める効果をねらっている。

 シャープではスマートフォンをのぞくこれらのAIoT機器の今年度の売上高1000億円を目指す。来年度末には、家電全体の半数をAIoT機器化する計画だ。

 ただシャープの調査では、買った顧客が実際に家電を通信接続している割合は4割程度。平成32年度末には7割まで高める計画で、今回のキャラバントラックなどを通じて啓発活動を行う。スマホでAIoT機器を一括管理できるアプリの開発にも取り組んでおり、来春のサービス開始を目指している。

閉じる