自動車7社、スズキ除き最終減益 4~12月期決算

2019.2.12 18:50

 自動車大手7社の平成30年4~12月期連結決算が12日、出そろった。最終利益は、スズキを除く6社が減益となった。米中貿易摩擦などの影響で世界経済の行方に不透明感が強まる中、新興国通貨の下落が利益を圧迫したほか、販売促進費の増加や原材料費の高騰も利益面の重荷となった。

 売上高は、アジアを中心に販売が堅調に推移し、新車の無資格検査などの問題が相次いだSUBARU(スバル)を除く6社が増収を確保した。中でもトヨタ自動車は、4~12月期のグループ世界販売台数が800万台と約2%増え、売上高は前年同期比3・1%増の22兆4755億円と過去最高を記録した。

 ただトヨタは、関係強化のため保有している部品メーカーなどの株式の価格下落で評価損を計上したほか、前年同期に米国の税制改正の影響で利益が上振れした反動で、最終利益が29・3%減。ホンダと日産自動車も、同様の反動が出て大幅に落ち込んだ。

 スバルは米国市場での販売減に加えて、エンジン部品の不具合による大規模リコール(回収・無償修理)などで膨らんだ品質関連費用が利益を圧迫。マツダも米国での競争激化で販促費がかさんだほか、豪ドルやロシアルーブルなどの下落も響いた。一方でスズキは、インド子会社による資金の運用益が寄与した。

 今後も米中貿易摩擦の影響など不安材料は多く、各社とも先行きへの懸念は強い。12日に横浜市内で開いた決算会見で、日産の西川広人社長は「米国の需要はピークアウトし中国も成長の踊り場にあるが、ブランド価値を高め収益を確保する」と気を引き締めた。

 31年3月期の通期最終利益見通しはトヨタや日産など4社が下方修正。ホンダは上方修正し、スズキと三菱自動車が据え置いた。

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