日産、中間期営業益85%減 欧米低迷と円高で通期予想もさらに引き下げ

2019.11.12 19:36

 日産自動車が12日発表した令和元年9月中間連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が316億円(前年同期比85・0%減)、最終利益は653億円(73・5%減)といずれも1千億円を割り込み、大幅減となった。主力の欧米販売が減少したのが主因。また円高や需要低迷の傾向が続くなか、2年3月期連結業績予想を下方修正した。12月1日に内田誠新社長をトップに発足する新経営体制のもとで業績回復に臨む。

 4~9月の世界販売台数は前年同期比6・8%減の250万1千台で、市場全体の下げ幅以上に落ち込んだ。販売台数は前会長、カルロス・ゴーン被告の拡大路線下で新モデル投入が停滞した影響もあって全地域で減少した。この結果、中間期の売上高は9・6%減の5兆30億円。円高での為替影響や品質改善費用も響き、利益を落とした。

 年間配当は40円の計画だが、厳しい業績から中間配当は10円とした。

 通期予想では、売上高の見通しを従来の11兆3000億円から10兆6000億円(前期比8・4%減)に引き下げ。営業利益も2300億円から1500億円(52・9%減)に、最終利益も1700億円から1100億円(65・5%減)に下げた。

 横浜市内の決算会見は新経営体制を先取りし、軽部博最高財務責任者(CFO)ではなく12月に後任CFOに就くスティーブン・マー常務執行役員が登壇。「北米販売などの改革は計画通り」などと強調した。

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