人工知能で建設現場支援サービス フォトラクション 

2020.6.3 10:39

 建設IT(情報技術)ベンチャーのフォトラクション(東京都中央区)は3日、建設現場の作業を人工知能(AI)で支援するサービスを始めたと発表した。建設の進ちょくを記録する工事写真台帳など、人による煩雑な作業をAIで省力化。建設業界で深刻化する人手不足の問題の解決に役立ててもらう。

 新サービス「フォトラクションアイ」は、設計現場の写真、図面、書類などのデータをクラウド基盤上にアップロードするだけで、工事台帳の作成、図面から数字の読み込み、現場で書いたメモの書類化などを代行する。あらかじめサービス料のチケットを購入し、利用する度にチケットで支払う。

 同社が独自開発した建設分野特化型AIエンジン「アオズクラウド」を活用するが、AIで判別できないデータは同社の技術者が判断する。これにより、AIによる判別の精度や速度が向上し、質の高い業務支援サービスが提供できるようになる。

 サービス開始前に実施した試行サービスでは、工事台帳の作成時間が延べ33時間削減できたといった成果が得られたという。

 フォトラクションは平成28年3月に設立。今年5月までに投資会社スパークス・グループによる投資ファンドやDBJキャピタル(同千代田区)、SMBCベンチャーキャピタル(同中央区)などから総額5億7千万円を調達した。

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