SBGの抗体検査 0.43%で陽性反応

2020.6.9 22:30

 ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は9日、同社のグループ社員や医療関係者など約4万4000人に実施した新型コロナウイルスの抗体検査の結果、約0・43%で陽性反応があったことを明らかにした。孫氏は「専門家の意見を参考にしながら、第2波に備えた対策を考えたい」と語った。

 同日、インターネットで実施した、国立国際医療研究センターの専門家との対談の中で公表した。

 孫氏は5月2日、自身のツイッターで、同社グループの全社員と家族に新型コロナの抗体検査を実施する方針を発表。その後、医療従事者にも無償で検査キットを提供してきた。

 5月12日から6月8日まで、同社が実施した検査の結果を取りまとめたもので、検査した4万4066人のうち191人で陽性反応が出た。患者と接触するリスクの高い医療従事者の陽性率は1・79%で、同社グループの社員などは0・23%だった。

 抗体はウイルスに感染した際、ウイルスを排除するために体の免疫システムが作り出すタンパク質。症状が回復しても一定期間、血中に残るため、過去の感染歴が分かる。一度、抗体ができれば、同じ感染症にかかりにくくなることが多いが、新型コロナに当てはまるかどうかはまだ不明。

 社会全体の免疫の獲得状況を確認し、今後の感染拡大防止策の検討に活用するため、厚生労働省も今月から約1万人を対象に抗体の有無を調べる調査を始めている。

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