コロナ禍のなかでも働きがいを高めるICT企業 JSOLがキャリア採用強化

2021.3.30 11:00

 新型コロナウイルスの感染拡大で企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が課題となる中で、NTTデータのグループ会社でシステム開発を行うJSOLが、高度デジタル人財のキャリア採用を本格化している。GPTWジャパン(働きがいのある会社研究所)による「働きがいのある会社」の調査で3年連続上位に入るなど、社員エンゲージメントを高めるための制度や環境面を充実させているのが魅力だ。HR本部人事部の小原久明部長と灰野みのり採用課課長に聞いた。

--JSOLが求めるキャリア人財の要件は何か。入社すると、どのような「働きがい」があるのか。

 小原氏「当社は前中期経営計画から、お客様と価値共創し、働きがいのある会社を目指す方針を掲げた。今の中計では、さらに自主的に価値共創モデルのサイクルを回して、成長を続けられる会社を目指している。キャリア採用では自律的に動ける人で、最新のデジタル技術を使ってお客様と、共に価値を創っていけるリーダーの素質を備えた人財を求めている。新しいデジタルトランスフォーメーション(DX)の案件はもちろん、当社が強みとしてきたSAPやスクラッチ開発といった従来型のビジネスをより効率的にお客様にサービスとして提供できるように変革を進められる人財を必要としている。

 働きやすい環境を充実させ、働きがいを高めていくために、2016年度から実施しているGPTWジャパンによる『働きがいのある会社調査』では、19~21年の3年連続でベストカンパニー入りしている。また、社員エンゲージメントを高めてもらうための取り組みとして、人事制度、環境面で社員の成長をバックアップできる仕組みを充実させるとともに、テレワークの推進やシェアオフィスの拡充などにより働き方の多様性にも対応できる制度を整えた」

--「働き方改革」について他のICT企業と比較して特徴的なポイントは。

 小原氏「会社設立当初から、固定電話から携帯電話への移行を進めるなど、モバイルに対しての抵抗感がなく、モバイル文化が根付いている。OA環境も更新のタイミングでワークスタイルに合わせた形に進化させ、シンクライアント、仮想化、モバイル化を推進している。テレワーク、フレックスなどの制度と環境面の整備の両方に昔から取り組んでいる」

--テレワーク中心になり社員間でのコミュニケーション不足が問題になっている。

 小原氏「オフィスがある東京都中央区の晴海地区は、東京五輪の選手村が建設され、大会期間中はオフィスへの出勤が難しいと想定し、以前よりテレワークの準備を進めていた。2020年の五輪は延期になったが、新型コロナの感染拡大に対応する形でテレワークに切り替えたので、スムーズに移行することができた。ネットワークの負荷が大きくなる事態は想定以上だったが、音声による会議をメーンに据え、お客様の表情がつかみにくいなどはあるが、大きな問題はなかった」

■双方にメリットのある採用活動を行う

--高度ICT人財育成のため「プロ認定制度」を行っている。

 小原氏「個人と会社の成長促進を目指して人事制度を作ってきた。ICT業界は変化が激しく、お客様のニーズも複雑だ。お客様と価値を共創できる真のパートナーになり、信頼されるためには、多くの社員が高い専門性と人間力を兼ね備えた市場価値の高い自律的な人財である必要がある。キャリアパスはその領域のスペシャリストである『プロ人財』と『組織のマネジャー』の複線型のキャリアを用意しているが、エンジニアとして入社した新入社員には常に『プロを目指せ』という話をする。

 プロ認定制度は実績重視だ。座学で勉強し、資格を取っても、実践で活かせなければ本物のプロとは言えない。1次審査、2次審査を経て、最終審査は経営陣が確認する。その前段階として、アソシエイトマネジャー制度があり、自分が目指すのがプロかラインかを見定め、その先に必要な知識や適性を見極める期間と位置付けている」

--キャリア採用の人財がどういう活躍をしているのか。

 小原氏「ICTの専門性を持った人財やプロジェクトマネジャーとして即戦力として活躍している。大企業のように、上流だけを担当するのではなく、上流でソリューションを描いた後にシステム構築を手掛け、運用・保守までカバーするので、早い段階でリーダーとして活躍してもらう舞台もある。専門性で勝負する人財、総合力で勝負する人財がともに活躍できる会社だ」

--キャリア採用に関してコロナ前と現在で変化があったか。

 灰野氏「もともとオンライン面接を導入しており、遠方在住の方はオンラインで対応していただいていた。それが、コロナ禍でスタンダードになっている。ただ、現場の雰囲気をつかんでいただきたいので、最終面接は出来る限り対面をご案内している。感染が心配な場合は、本人の申し出によって、オンラインでの最終面接にも対応している。候補者はコロナ以前よりも、安定性を重視する方が増えている。当社は、分社前の日本総合研究所(JRI)時代に築いた各業界の優良な顧客基盤、NTTデータグループの有する総合力を引き継いでおり、距離感を保ちながらも両親会社の信頼性が強みだ」

--キャリア採用された人の感想は。

 灰野氏「風通しがいい組織だといわれることが多い。経営層や現場のトップ層との距離感が近く、意見交換できる場が多い。また、ご自身の要望を伺いながら、よりステップアップしていけるような案件をアサインしているため技術的な向上心を持つ方には好評」

--今後のキャリア採用で注力することは。

 灰野氏「JSOLの良さを多くの方に知っていただけるよう認知を高めていきたい。現在はエージェント経由の採用が大半だが、社員紹介制度などの採用手法も用いて、よりチャネルを増やし、多くの方とお会いして双方にとってメリットのある採用活動を行っていく」

■会社概要

社名:株式会社JSOL

本社所在地:東京都中央区晴海2-5-24 晴海センタービル

設立:2006年7月

資本金:50億円

従業員:1200名(2020年4月現在)

事業内容:

 ICTサービス:コンサルティング、システム構築、サポート

 CAE分野:コンサルティング、ソフトウェア開発・導入、サポート

株主:株式会社NTTデータ(50%) 株式会社日本総合研究所(50%) 

グループ会社:株式会社理研数理(株主:JSOL50%、理化学研究所25%、理研鼎業25%)

【株式会社JSOL公式サイトはこちら】

(提供 株式会社JSOL)

閉じる