「宣言慣れ」が影響か コロナ禍の飲食店利用者、増加に転じる

2021.9.14 18:30

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の延長が決まった今月9日の週に、飲食店の客足が1カ月ぶりに増加に転じていたことが14日、テーブルチェックのまとめで分かった。13日から19都道府県で緊急事態宣言の期間が延長され、飲食店に営業時間の短縮を引き続き求めるほか酒類提供も停止となっているが、長引く緊急事態宣言下での自粛疲れや緩みから、利用者が増えたとみられる。

 宣言による人流抑制効果は限定的

 宣言延長の初日となった13日は国内で新たに4171人の感染者が確認された。5000人を下回るのは7月26日以来で、死者は東京12人など計50人だった。全国的に新規感染者数は減少の兆しが見えつつある中、東京・渋谷のスクランブル交差点は多くの人で混雑するなど、東京都内の繁華街では人出が再び増えている。

 テーブルチェックによると、8月30日の週の飲食店の1店舗あたりの来店人数は平均17.1人で、前週比85.1%だった。しかし、宣言期間の延長が発表された先週は同18.1人と増え、前週比105.8%と増加。特に、週末は前週比108.4%となっており、週末の外食利用が増えているという。

 都医学総合研究所の調査によると、東京の主要7繁華街の人出は4回目の緊急事態宣言が発令された7月12日の直前と比べ、8月8~14日の昼間は24.7%減、夜間は35.8%減となったものの、お盆明けから人出が増え、同22~28日の昼間は9.7%減、夜間は19.1%減にとどまった。

 医療提供体制は依然として逼迫(ひっぱく)しているが、宣言による人流の抑制効果が限定的になっていることがうかがえる。テーブルチェックの担当者は飲食店利用者の増加について、「感染者数の減少や一部で宣言解除されたことから『宣言慣れ』した人が増えている影響ではないか」と分析している。

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SankeiBiz編集部

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