4月25日は「ラ・ラ・ランドの日」 米ロサンゼルス市が制定 ロケ地の観光資源化に成功

 

 【ロサンゼルス=中村将】今年の米アカデミー賞で6部門を受賞したミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」の舞台となった米カリフォルニア州ロサンゼルス市は、映画が多くの観光客誘致に貢献したことをたたえ、25日を「ラ・ラ・ランドの日」に制定、市庁舎で記念式典を開催した。映画のロケ地には国内外から大勢のファンが訪れ、観光資源化に成功している。

 式典には、映画のデイミアン・チャゼル監督らも出席。あいさつしたガーセッティ市長は「この映画はロサンゼルスを映す鏡だ。そこに情熱や創造性、前向きな姿勢を示してくれた」と映画の成功をたたえた。

 市庁舎の壁に屋上からつるされたダンサーたちが、映画の挿入曲に合わせて踊り、市長もピアノを演奏した。25日はロケ地となったジャズバーで映画のセットが再現されるなど各地でイベントが開かれた。

 ラ・ラ・ランドは、ロサンゼルスで舞台女優を目指す女性と、ジャズピアニストの男性の恋愛を描いた、郷愁感あふれる作品。アカデミー賞ではエマ・ストーンさんが主演女優賞を、チャゼル監督が監督賞を受賞するなど6部門で栄冠に輝いた。グリフィス天文台などの観光名所だけでなく、ジャズバーやコーヒーショップ、ビーチの桟橋などのロケ地も多くの観光客が訪れている。ロサンゼルスのツアー会社には、ロケ地めぐりのツアーの問い合わせが急増したという。

 映画の効果による観光客の増加を示す数字はまとまっていないが、ロサンゼルス観光局が映画を見た400人に「ロサンゼルスに行ってみたいか」をたずねたところ、86%が「行きたい」と答えた。

 映画の影響で観光が潤ったケースとしては、ダスティン・ホフマンさん主演の「レインマン」(1988年)の撮影現場となった米ラスベガスの高級ホテルの部屋への予約が殺到したり、ゴールデングローブ賞で作品を受賞した「サイドウェイ」(2004年)で撮影されたカリフォルニア州サンタバーバラ郡のワイナリーめぐりが大流行したことがある。