大嘗祭、31年11月 宮内庁、ご即位年の儀式「自然」
皇太子さまが新天皇に即位されるのに伴う大嘗祭(だいじょうさい)について、宮内庁が平成31年11月に行う方針を決め、具体的な準備に着手することが24日、分かった。山本信一郎長官は同日の定例会見で、ご即位が政府案の一つである31年5月1日になった場合でも、同年11月に大嘗祭を行うことに支障はないとの考えを示した。
安倍晋三首相は12月1日、陛下の譲位と皇太子さまの即位の日程について意見を聞く皇室会議を開催。陛下が31年3月31日に譲位し、皇太子さまが同4月1日に即位される案と、4月30日譲位、5月1日即位の案を提示する。首相は後者を推す意向を示している。
いずれの案の場合でも、平成で「斎田点定(さいでんてんてい)の儀」が行われた2月より遅い時期となるが、山本長官は24日の会見で、過去に「斎田点定の儀」が旧暦の4月、現在の5月に行われた例があることを理由に挙げ、5月即位の場合でも同じ年の11月に大嘗祭を行うことに「特段の問題はない」との見解を示した。
別の宮内庁幹部は「田植え前であれば『点定の儀』は可能。今回のように服喪期間がない場合、ご即位年の11月に大嘗祭を行うことが自然で、伝統に反するものではない」としている。
平成の大嘗祭は皇居・東御苑内で執り行われたが、宮内庁は今後、大嘗祭を行う場所や規模などの検討に入る。
大嘗祭は天皇が即位後に初めて行う新嘗(にいなめ)祭。平成の場合、天皇陛下が昭和64年1月7日に即位されたが、大嘗祭は1年間の服喪期間を経た上で平成2年11月に行われた。
大嘗祭を行うには新穀を育てる特別の水田(斎田)2カ所を準備し、儀式を行う大嘗宮(だいじょうきゅう)を造営する必要がある。平成では2年2月、亀の甲羅を用いた占いで斎田を決める「斎田点定の儀」が、皇居で行われている。
■大嘗祭 新天皇が即位後に最初に行う新嘗祭で、皇位継承において最も重要な儀式とされる。平年の新嘗祭を行う皇居内の「神嘉殿」とは別に「大嘗宮」を新設。新天皇が新穀を供え、神々とともに食し、五穀豊穣(ほうじょう)に感謝するとともに国家・国民の安寧を祈願する。天皇の崩御に伴う即位の場合は喪に服するため、大正天皇の大嘗祭は大正4年11月、昭和天皇の大嘗祭は昭和3年11月だった。
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