調査業界の業務量は増えている
生かせ!知財ビジネス■小倉正二FPIS理事長に聞く
特許の調査・分析など、知財に関する情報サービス関連会社29社で構成される「特許情報サービス業連合会」(FPIS、東京都中央区)。2年前の設立30周年を機に一般社団法人化され、組織強化を図っている。小倉正二理事長に、業界動向とFPISの運営について聞いた。
--特許庁の資料では2014年度の特許情報サービス業界の市場規模は約1200億円。10年間で36%も伸びている。逆に国内特許出願は24%も減った
「調査業界の業務量は、この3年間でもかなり増えた実感がある。国内出願は減ったが、PCT国際出願などは伸びた。今では欧州、米国、中国、日本の4カ国調査が一般化しつつある。属する産業分野を越えて次に何の事業をやるかを探る企業も多く、調査を受託して驚くことや感動することもある。戦略的に活動する企業ほど経営と知財部門の関係が近く、活発に調査している」
--FPISとは
「もともと公報の複写会社や特許調査会社が多かったが、現在は特許事務所、年金管理会社や翻訳会社など知財に関するさまざまなビジネス会社の集合体だ。近く3、4社が新たに入会するが、会員をどんどん増やし40、50社の規模にしていきたい。データベース、人工知能(AI)の時代であり、知財関連のソフトウエアやコンサルティングの会社にも入ってもらいたい」
--どういう活動をしているのか。
「定例会を年6回開き、新年会、講演会、セミナー、総会などを行う。特許庁の特許情報室とは年1回、意見交換会を開く。同庁が提供している情報サービスの内容などについて事業者の観点から指摘、提案している。同庁から行政施策改訂や知財関連法改正の方向性などについての説明もあり、情報を収集している」
--いま、新たに考えていることは
「現在、定例会での討議方法を改め、ウェブ会議の新設を検討している。いまは関東地区在住の会員企業が多く、全国からさまざまな業種の企業に入ってもらいたいからだ。併せてウェブを通じた情報提供も充実させたい。委員会設置も検討している。会員の事業に生かすため多様なビジネスを研究する場を作れたら、と思っている」(知財情報&戦略システム 中岡浩)
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【プロフィル】小倉正二
おぐら・しょうじ 1969年日大理工学部卒。TDKの研究部門で知財業務を担当。90年特許調査や技術分析に特化した独立系専門会社アズテックを設立。2010年FPIS理事長に就任。71歳。埼玉県出身。
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