【スポーツi.】10年2億ドルも…大谷翔平の“アメリカンドリーム”は無限
ポスティングシステムで米大リーグを目指す日本ハム・大谷翔平投手(23)の本格的移籍交渉が1日(日本時間2日)、始まった。今年も日本ハムへの譲渡金2000万ドル(約22億4000万円)を支払う米球団全てが交渉できる。交渉期間は21日間で、22日(同23日)までには移籍先が決定する。
大都市球団を拒否
大谷は、代理人を通じて4日(同5日)にも米球団との面談をスタートさせる予定だが、米大リーグ公式サイトなど米メディアによると、本命視されていたヤンキース、レッドソックスなど大規模都市球団を拒否、西海岸か小規模球団を希望していると伝えられている。
ところで…。メジャー移籍で頭に浮かぶのは“ビッグ・マネー”である。過去、田中将大投手はヤンキースへ移籍した際、7年間総額1億5500万ドルの大型契約を結んだ。今オフ、ドジャースからフリーエージェントになったダルビッシュ有投手には、最低でも5年総額1億~1.5億ドル以上の年俸が予想されている。
しかし、23歳の大谷には壁がある。昨年12月に締結された新労使協定だ。25歳未満のドラフト対象外外国人選手を獲得する場合は、契約金が制限されている。既に対象選手に使った球団もあり、各球団の金額設定は異なるが、最高でレンジャーズの353万5000ドル、続いてヤンキースの350万ドル。ドジャースなら30万ドルである。
契約はマイナーに限られる。仮に来年開幕からメジャーに昇格しても、最低保障の年俸54万5000ドル。ちなみに今季の大谷の年俸は2億7000万円。4分の1以下に“激減”してしまうのである。
低年俸だからといっても、4年目以降でないと調停委員会への異議申し立てはできない。
とはいえ、悲観することはない。最初の3年間、実績さえ積めば未来は開ける。その力量もある。多くのメジャー関係者は「大谷は十分にやっていける。そのポテンシャルはある」と。投手としてローテーションに入って10~15勝…。それだけでも高評価だが、野手としても15本塁打前後さえ予想する。
さらに…。6年間をクリアすれば、フリーエージェント(FA)資格を得る。確実にビッグマネーが手に入るのだ。
もっとも、こんな逸材なら球団も簡単には手放すまい。
こんな例がある。フロリダ・マーリンズのジャンカルロ・スタントン外野手だ。2014年のオフ、13年で総額3億2500万ドルの超破格契約を結んだ。年平均2500万ドルである。
デビューした10年に、22本塁打、翌11年は34本塁打、12年は37本塁打。13年はケガもあり24本塁打に終わったが、14年は再び37本塁打…。くしくもスタントンが、年俸調停委資格を得た年だったが、球団はそれを回避するかのようにさらにFA流出をにらんだといえる。ちなみに今季のスタントンは59本塁打、132打点の2冠王、自身初のリーグMVPに輝いた。
10年2億ドルも
今オフ、米FOXスポーツは日本球界での実績を基に、大谷の価値を試算した。FA選手なら最低でも10年2億ドルとした。年平均2000万ドル…。超一流評価である。“最初の3年間”を順調に過ごせば、ビッグマネーの夢は実現するのである。
さらに…。先日、米USAトゥデー紙の名物記者であるボブ・ナイチンゲール氏がこんな記事を書いていた。
「複数の米広告代理店がスポンサーなどの契約が2000万ドルを超えると見積もっている。スポンサー収入ではメジャー最高額の選手になるだろう」
大谷は、近年のメジャーでは誰もたどり着いたことがない“二刀流”という、類いまれな資質を持つ逸材である。米国においても、注目度は抜群なのだ。
もちろん、日本のスポンサーも黙ってはいないはずだ。これまで大谷はセイコー、明治、大正製薬、西川産業などと契約を結んでいた。メジャー移籍となればマーケットはグローバル化する。さらにその付加価値は上がるに違いない。
「メジャーでプレーするのが夢。お金の問題ではない」という大谷の“アメリカンドリーム”。こんな無欲な姿勢が無限な可能性を生もうとしている。(産経新聞特別記者 清水満)
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