マンションに広がるIT化 ICカードで鍵開閉、AIが管理員業務代行

 
大京アステージが開発を進める、AIによる管理サービス実験の装置

 マンションにIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)などITを活用する動きが広がっている。玄関の鍵をICカードで開け閉めしたり、室内の家電を外からスマートフォンで操作したりできる物件が登場。管理員の業務をAIで代行する試みもある。

 昨年12月に北海道函館市から東京に転勤になり、板橋区内の賃貸マンションで1人暮らしを始めた30代の女性会社員。定期入れに入った通勤用ICカード「PASMO(パスモ)」をドアのセンサーにかざすだけで玄関の鍵を開閉する。

 マンションを管理するレオパレス21がIT関連企業と開発、昨秋に導入した「レオロック」だ。入居時に暗証番号を入力しICカードをかざして登録完了だ。

 「定期入れはいつも通勤用のカバンに付けているので、紛失する心配がない。東京での1人暮らしには少し不安もあったけれど、これなら安心」と気に入った様子だ。

 スマホに専用アプリをダウンロードし、鍵のかけ忘れを外出先で確認して施錠することもできる。暗証番号を他のスマホに送信し、受け取った人はドアのパネルに番号を入力して鍵を開けることも可能だ。「実家の両親に暗証番号を送れば、東京に来たときに自分が留守でも家に入れて便利」と女性は話す。

 レオパレス21は、照明やエアコンなどをスマホで外から制御できるシステムも開発。「1人暮らしの人を中心に帰宅したときに室内が明るく快適な温度になっていると好評」(担当者)という。

 大京グループのマンション管理会社、大京アステージ(東京)はAIを活用した音声対話型の管理サービスの開発を進めている。今後予想される管理員の人手不足に対応する狙いだ。

 居住者らからの問い合わせに応じるため、室内の設備の使用方法など数百件の想定問答を作成し、昨夏に全国で実験を始めた。今年初めには高松市のマンションで問答を約10倍に増やした。担当者は「今年中に実用化したい」としている。

 このほか、グループの穴吹工務店(高松市)は顔認証のオートロックシステムをIT企業と共同開発。順次、全国のマンションに導入していく方針だ。