成人18歳に、改正民法成立 2022年から施行

 
東京ディズニーランドで開かれた千葉県浦安市の成人式=1月8日

 成人の年齢を20歳から18歳に引き下げることを柱とした改正民法と、それに関連する22の法律の見直しが13日、参院本会議で可決・成立した。2022年4月に施行される。成人年齢を20歳とするのは明治9(1876)年の太政官布告で初めて定められ、29(1896)年施行の民法に引き継がれており、改正は通算約140年ぶり。飲酒、喫煙や公営ギャンブルは20歳未満禁止のままになる半面、有効期限10年のパスポートは18歳から取得できるようになる。

 上川陽子法相はこれまでの国会審議で、改正の意義を「若年者の社会参加の時期を早め、社会のさまざまな分野で積極的な役割を果たしてもらうことは、少子高齢化が急速に進むわが国の社会に大きな活力をもたらす」と説明していた。

 改正民法では成人年齢引き下げのほか、女性の結婚できる年齢を16歳から18歳に引き上げることや、「未成年者の結婚に親の同意が必要」としている条文を削除。結婚に親の同意が不要になる。

 また改正民法により、親など法定代理人の同意なく結んだ契約をほぼ無条件に取り消せる権利「取り消し権」を行使できる年齢が20歳未満から18歳未満に下がる。取り消し権は若者を悪質商法などから守る防波堤になっていたことから、消費者被害の低年齢化が懸念される。

 改正民法と合わせて見直された22の法律は、20歳を維持するためのものと、条文上「20歳」と明記されているものを「18歳」に直すものに大別される。

 前者の代表例は飲酒可能年齢を定めた未成年者飲酒禁止法。同法は20歳未満の飲酒を禁じており、飲酒可能年齢は変更しない。しかし、法律名が「未成年者」になっており、内容との齟齬(そご)が生じてしまうため、名称を「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」に変えた。

 後者の代表例は旅券法。パスポートの有効期限について「20歳未満の者である場合は5年とする」と規定しているが、この「20歳未満」を「18歳未満」に変え、18歳から有効期限10年のパスポートを取得できるようにした。

 一方、免許や資格取得に関して「未成年者は不可」と規定している医師法や公認会計士法の条文は変更しない。このため、理論上は18歳で医師や公認会計士になることも可能となる。

 また、少年法の適用年齢を18歳未満に引き下げる少年法の改正については、法制審議会(法相の諮問機関)で審議中。