西日本豪雨 積乱雲の連続発生 「バックビルディング現象」を確認 防科研
西日本豪雨では、同じ場所の上空で新しい積乱雲が次々と生じる「バックビルディング現象」が発生し、通常は短時間で通り過ぎる積乱雲が数珠つなぎになって線状降水帯を形成したため、長時間にわたって同じ地域に大雨をもたらしたことが分かった。中国・四国地方などの雨雲を解析した防災科学技術研究所(茨城県)が確認した。
同研究所は国土交通省と気象庁のレーダー観測データを基に、当時の雲の様子を再現した立体映像を作成。それによると、大きな被害が出た広島県付近で6日午後5~9時にかけ、上空で発生した積乱雲が風下の北東に移動した後も、ほぼ同じ場所で連続して別の積乱雲が発生し、同じ方向に進む状況が確認された。岡山県や岐阜県でも同様の状況が確認されたという。
この現象はバックビルディング現象と呼ばれ、複数の積乱雲が帯状に連なる線状降水帯の発生メカニズムの一つだ。
今回のケースでは、南と南西から流れ込んだ暖かく湿った空気が上空で衝突し、上昇気流が生まれて積乱雲を形成。その流れが何度も繰り返され、「積乱雲の寿命は30~60分程度」(同研究所)にもかかわらず、複数の積乱雲が連続して通過することで大雨が降り続いた。平成27年9月の関東・東北豪雨、昨年7月の九州北部豪雨なども同現象が原因とされる。
また今回、線状降水帯を形成した積乱雲の最大高度は約7キロで、26年8月の広島の豪雨や九州北部豪雨と比べると半分以下。そのため、上空の風の影響を受けにくく、進行速度が遅くなり、降水量の増加に拍車をかけたとみられる。
同研究所は「バックビルディングは局所的な現象だが、今回は広い範囲で複数発生している。珍しい状況だ」と話している。
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