最適な講師、教材、レッスン仲間をAIが提案 ビッグデータで大きく変わる英会話学習

 
オンライン英会話「vipabc」は、AIとビッグデータが最適の講師、教材、仲間を提案してくれる

 大半のビジネスパーソンは、1度は英会話を習った経験をお持ちではないだろうか。スクールに通う、独学、アプリなど、学習方法は様々だが、せっかく高い費用を払ったのに途中で辞めてしまった。そんな人も少なくないと思う。語学学習は、モチベーションを維持するのが意外と難しいものだ。

 忙しい人には、スカイプなどを使ったオンライン学習が便利だが、これも予約が思うように取れなかったり、講師の質が低かったり、相性が合わなかったりと、弱点がある。

 そんな日本の英会話学習事情を打ち破ろうと、シリコンバレーから上陸した英会話レッスンが、いま話題を集めている。

 1億8000万回のデータから最適なマッチングを

 「vipabc」は現在、世界80カ国に2万人の講師を擁する世界最大のオンライン英会話サービスである。最大の特徴は、AIを活用している点だ。受講目的や年齢、性別、職業、趣味や興味の対象といった個人データをもとに、AIが最適な講師、教材、レッスン仲間を提案してくれる。vipabcが独自に開発した自動コース生成システム(Dynamic Course Generation System)と、これまでのレッスンで取得した1億8000万回のデータによって、一人ひとりに最適なマッチングが可能だとしている。

 実際、AIがどのように提案をするのか、vipabcのPRマネージャー・Maiko Linさんに聞いてみた。(以下同)

 「30代の男性銀行員を例にとりましょう。彼は、英語でプレゼテーションを行う必要が出てきました。英語と共にプレゼン技術も学びたいと希望している。趣味はゴルフと料理。こんなケースならば、教材には、まずプレゼンに関するものや金融関連を選びます。楽しく続けてもらうために、世界の料理やレストラン事情を扱った教材も用います。グループレッスンの場合は、同じ金融関係の生徒とグループを組んで、ディスカッションも活発になるようなマッチングを行います。vipabcには10万以上の教材があり、常にアップデートしていますので、どんな人にも最適な提案ができると自負しています」

 相互作用が可能な独自のプラットフォーム

 vipabcは365日24時間稼働しているので、まず予約が取れないということはない。講師は全員が有資格者である。少し説明をすると、英語を母国語としない人に英語を教える資格はいくつかあるが、その中でTESOLといった世界標準の資格や、CELTAという、イギリスのケンブリッジ大学の教育機関が認定する資格など、ハイレベルな資格を保有している講師ばかりだ。大学の修士号、博士号を持つ講師も少なくない。

 vipabcは、独自のプラットフォームを持っており、それを介して講師と生徒がレッスンを進めていく。画面には常時、教材が表示されており、講師がホワイトボードのように書き込むことができる。会話の内容をその場で文章化できるので、理解が早い。チャット機能があるので、いつでも質問が可能だ。録画機能も搭載されているので、終了後に動画でレッスンの内容を確認したり、教材をPDFでダウンロードすることもできる。また、パソコンだけでなく、スマホやタブレットなど、どんなデバイスにも対応しているので、通勤時にスマホで復習することも可能だ。

 「他のオンライン英会話は、いわゆるMOOC(大規模公開オンライン講義)を教材として使っているケースが大半です。講義を聴いて学習するスタイルです。インタラクション(相互作用)がないため、一方的な学習となってしまいます。この方法では、5%の生徒しか目標を達成することができない、といったデータがあるんです。途中で挫折するのを解決しようと、双方向で、よりコミュニケーションが取れるプラットフォームを弊社では開発しました」

 レッスンは45分。3つのコースがある。6名までのグループを組んで行う「少人数レッスン」。講師のレクチャーを聞く「vipレクチャー」、そしてマンツーマンの「スペシャルプライベートレッスン」である。

 互いに切磋琢磨、生徒の意欲を向上

 「1対1ではなく、少人数レッスンを基本としています。その方が互いに切磋琢磨できて、レベルアップが10%も早いというデータもあります。vipレクチャーは上位10%のハイレベルな講師に限っていますし、質問もできます」

 講師に関する評価機能も備わっている。レッスン終了後、生徒が講師を10満点で評価。8点以下の講師は、再度研修を受けなければならない。教材や通信クオリティに関しても生徒による評価を行っており、その結果をもとにマッチングの精度を高めているという。

 「講師はファシリテーターでもあります。常に生徒の意欲を高める工夫を行っているので、英語学習へのモチベーションが保たれるのです。英語を習慣化するためには、レッスン開始直後の初月に15回のレッスンを行えば、大半の人は続けていくことができる。そういったvipabc独自のデータもあるので、初動には力を入れています」

 生徒の意欲を高めるための工夫としては、講師の他に語学コーディネーターの存在も大きい。目標に応じたプランを提案してくれ、学習ペースを見守りながら様々な相談に応じてくれる。また、テクニカルサポートが24時間稼働しているので、通信に不具合が発生した場合は、すぐに対応が可能である。

 従来のスクール型とオンライン型の利点を、さらに進化させた新しい英会話レッスン。英会話を始めたいという方、もう一度がんばってみようという方、試してみる価値はあると思う。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))

 《5時から作家塾(R)》 1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。

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