【官兵衛に見るサブリーダー論】
大河ドラマの「軍師 官兵衛」は朝鮮出兵に突入した。小田原・北条氏を滅亡させて天下統一を果たした豊臣秀吉はかねてから口にしていた中国大陸への進出を決意する。まずは足下を固めてからと助言する黒田官兵衛だったが、聞く耳を持たない秀吉は16万人を投入し、投機的な戦へと突き進む。相変わらず強権を発揮する秀吉と、秀吉の“腰巾着”ぶりにますます磨きのかかってきた石田三成。皆がバラバラ。意見が割れたままでやってしまった戦いの結果は推して知るべしである。
信長譲り?
中国大陸への進出については常々、「信長さまの夢を実現させるのじゃ」と言ってはばからない秀吉。確かにドラマの中で、織田信長は世界一周的な夢を語ってはいたものの、戦争を仕掛けるところまで思っていたかどうか?
たとえ征服を口にしていたとしても、戦って得た都市を再整備しては楽市・楽座などで経済を活性化させてきた信長である。それなら大陸進出は明治新政府にように、「殖産興業」「富国強兵」をなしてからのことというふうに考えたのではないだろうか。