若手人材座談会。CDとURAのあり方や能力、産業界との関係など、今後の産学官連携について議論した=東京都千代田区の日本立地センター【拡大】
大学・研究機関の成果をいかに産業・社会へ還元するか-。その一翼を担ってきた産学官連携が変換点にきている。課題は産学官をつなぐコーディネート人材(CD)、技術移転などに関する知識の継承にある。
文部科学省と日本立地センターはこのほど、都内で全国コーディネート活動ネットワーク事業の一環として「若手人材座談会~産業の創造と発展に寄与する若手人材~」を開催。全国の大学や機関で産学官連携業務にあたる若手CDと有識者ら約30人が参加した。
文科省は2012年度でCDを派遣する産学官連携関連の支援事業に区切りをつけ、その後はリサーチ・アドミニストレーター(URA)の育成、配備へと舵(かじ)を切った。CDは特許出願、研究開発戦略から研究契約、技術・特許契約へと至る産学官連携業務を支援するのに対し、URAは研究プロジェクトマネジメント全体を支援し、産学官連携業務の支援は活動の一部となる。
「結果的にCDの必要性は大学や機関が決め、そこで独自採用することになった」と説明するのは全国イノベーション推進機関ネットワーク(イノベーションネット)の小沢三千晴技術コーディネーター。全国の大学・機関を結ぶイノベーションネットでCDとURAの情報交換会などの橋渡しを行い、知識の継承を促す立場だ。