【電力考】異業種提携 「東電ブランド」に危機感 山崎康志・ジャーナリスト (2/3ページ)

2015.7.6 05:00

東京電力の本店=東京都千代田区(ブルームバーグ)

東京電力の本店=東京都千代田区(ブルームバーグ)【拡大】

 一連の提携の狙いは、東電も提携先も顧客囲い込みだ。例えばソフトバンクは、携帯電話3社の中でも東電の越境販売のパートナーとして優先交渉権を得たが、その目的はセット割引によって本業の携帯電話加入者がドコモ、KDDIへ離脱するのを防ぐことにほかならない。東電と提携すれば、電気という“販促材”が豊富に手に入るからだ。ソフトバンクは関東圏外で思い切った価格破壊に乗り出すだろう。

 しかし、それは東電にとって“もろ刃の剣”と言っていい。なぜなら、越境販売で安売りをすれば、関東圏の2500万世帯から不満が出ることは避けられないからだ。いずれ圏内外無差別の値下げを強いられ、東電は消耗戦の泥沼にはまる。それを回避するのが「ホワイトラベル」である。

 ◆差別的供給は可能か

 ホワイトラベルとは、電力のOEM(相手先ブランドによる生産)供給であり、自由化先進国の英国で老舗量販店マークス&スペンサーがスコテッシュ&サザンエナジーの電力を販売したのが始まり。つまり、東電はホワイトラベルで自らの存在を隠し、ソフトバンクの全国3800万件の加入者に限って割安な電力を供給する。それによって本体の電気料金が価格競争に巻き込まれるのを防ぐのである。

 「電力・携帯込み込みで1万円キャンペーン、そんな売り方が始まる」

 東電幹部は苦笑しつつこう語る。しかし、本当にそんな売り方が可能になるのか-。家庭用電気料金は原価を厳密に積算・配分された規制料金であり、値引きは原則できない。全面自由化後も規制料金と自由料金が併存する経過措置が続き、電力会社は両者のコスト融通を防ぐ会計分離を課されるため、自由料金も野放図な値引きはできない。制度上は2020年に完全自由化(発送電分離)されれば、制約はなくなるとされているものの、慶応大学の井手秀樹名誉教授は異議を唱える。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。