【高論卓説】常磐線が完全復旧する日 東京は沿線の豊かな産物に頼る (3/3ページ)

2015.12.21 07:46

 常磐線のいわき駅から北へ23キロメートルの広野駅に立つ。津波に襲われた沿岸部の更地には、オフィスビルの建設が進んでいる。広野町役場の隣接地にはイオンの進出が決まっている。町役場の背後には「ミカンの丘」の看板がみえる。この町はミカンとオリーブの北限である。

 広野駅の先にある竜田駅と原ノ町駅間は、バスによる代行輸送が続いている。北端の岩沼駅に続く鉄路も不通箇所の工事が急がれている。原発事故の被災地を路線の中心部に抱えているために、完全復旧のめどは立っていない。

 いわき駅行の特急のほとんどの始発駅が、上野駅から品川駅に変わったのは今年3月からである。羽田空港やいずれはリニア新幹線を利用しやすくなる。常磐線の全線にわたって列車が疾走する日、沿線の「未来」の姿をみるのが待ち遠しい。

【プロフィル】田部康喜

 たべ・こうき 東日本国際大学客員教授、シンクタンク代表 東北大卒。ソフトバンク広報室長などを経て現職。61歳。

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