廃食用油で発電、地産地消のLED桜

2016.12.20 05:00

 春には花見の名所としてにぎわうJR東日本・大崎駅周辺(東京都品川区)の目黒川沿いの歩道。エネルギーの地産地消の促進を狙い、ピンク色の発光ダイオード(LED)電球で冬の桜を演出するイベントが行われている。

 使うのは近隣の飲食店やマンションなどから食用油を回収して精製したバイオディーゼル油。これを燃料に会場に設置した発電機で発電し、川沿い2.2キロメートルの木々に設置した42万個以上のLEDの点灯などイベントで使用する電力全てを賄っている。

 「目黒川みんなのイルミネーション2016」企画運営実行委員会の成田冠事務局長は「目黒川沿いの桜に電球の一大産地だったという歴史的背景をかけて冬の桜というLEDのデザインをした」と語る。山手線の駅の中では比較的認知度が低いことから、地域住民が参加して「自分たちでアイデンティティーをつくる」ことが目的だと話した。

 開催は今回で7回目。初回の2010年には再生可能エネルギーを使って発電した電力であることを証明するグリーン電力証書を購入した。成田氏によると、当初は人が上を歩くことで発電する「発電床」の導入も検討したが、コストや技術面での課題があり採用を見送ったという。

 東日本大震災後に省エネの動きが全国的に加速。単純に中止するのではなく「新しいソリューションでやるべきだ」と考え、廃食用油の利用にたどり着いた。1月9日までの予定で開催されている今年のイベント用に2200リットルの廃食用油を回収した。

 成田氏によると、廃食用油を活用したイルミネーション・イベントは都内ではここだけ。「もともとはお金を払って捨てているもの」が資源に変わることから、こういった取り組みにより「エネルギーが自分の足元にある」ことに気づくことができると指摘した。(ブルームバーグ Chisaki Watanabe)

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