「軍隊のような社風をなくしてください」「形だけの改善やめて」 過労死遺族、電通研修会で

高橋まつりさんの遺影と母親の幸美さん=2016年10月7日、東京・霞が関(天野健作撮影)
高橋まつりさんの遺影と母親の幸美さん=2016年10月7日、東京・霞が関(天野健作撮影)【拡大】

  • 電通本社ビル=東京都港区(伴龍二撮影)

 過労自殺した電通の新入社員、高橋まつりさん=当時(24)=の母、幸美さん(54)は12日、東京都港区の電通本社を訪れ、過労死防止のための社内研修会に出席した。同席した代理人の川人博弁護士によると、山本敏博社長ら約100人を前に「改善のために形だけの規則をつくるのではなく、適切な人員を配置して、仕事を分配して」と訴えた。

 研修会への出席は、電通との間で1月20日に合意した再発防止策の一環。幸美さんは「命をなくしたり、追い詰められて病気になったりする人が多い電通の評判を払拭できるよう改善してください。軍隊のような社風をなくしてください」と話した。

 幸美さんは川人弁護士を通じ、「娘が生きている時にこのような研修会を開いてほしかった。その意味では残念だった」と感想を述べた。