【専欄】異なる意見を保護する法律 元滋賀県立大学教授・荒井利明 (2/2ページ)

2017.5.2 05:00

 この文章によると、習仲勲は全国人民代表大会常務委員会副委員長(国会副議長に相当)として法律制定の責任者だった1980年代初め、民法制定に関する会議で、長年、考えていたこととして、異なる意見を保護する法律の制定を提起した。その際、最高指導者の意見とは異なる意見の持ち主を「反党」「反革命」などと批判し、粛清してきた党の歴史に触れながら、たとえ、その意見が間違っていたとしても、処罰すべきではないと主張したという。

 異なる意見を保護すべきという主張は、党内での粛清にきわめて批判的だった習仲勲の自らの失脚体験にもとづくものといえよう。

 「いかなる者も異なる意見を発表する権利がある」と習仲勲は強調したが、そうした法律は制定されなかった。胡耀邦擁護という「異なる意見」を口にした習仲勲はトウ小平に嫌われ、冷遇されたのである。(敬称略)

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。