メチルシクロヘキサン【拡大】
最近、家庭用燃料電池、燃料電池自動車、水素ステーションなど、水素が話題になることが増えています。水素は、石油随伴ガス、製鉄所や工場からの副生ガス、再生可能エネルギーでつくった電力など多様な源からさまざまな方法で製造できる2次エネルギーです。同じ2次エネルギーである電気と異なり貯蔵・輸送ができることもメリットとされています。今、「水素社会」の実現に向けて、水素供給インフラ整備の動きが活発化しています。
◆常温で安全、OCH法
横浜市神奈川区にある千代田化工建設の子安オフィス・リサーチパークを訪ね、同社で実用化を目指している水素チェーン事業推進ユニットの、水素事業企画・開発セクションチームリーダーの大島泰輔氏とシニアアドバイザーの中田真一氏に話をうかがいました。
「当社は、世界60カ国以上で、石油精製や石油化学・化学、天然ガス受け入れ基地など、さまざまな分野のプラント設計・建設を行ってきた総合エンジニアリング会社です。現在、事業分野のさらなる多様化と『エネルギーと環境』の創成を目指して、水素供給インフラ整備に向けて、水素を安全かつ大量に貯蔵・輸送する方法である、有機ケミカルハイドライド(OCH)法を提案しています」(中田氏)
水素の貯蔵・輸送方法として実用レベルないしそれに近いものには(1)パイプライン(2)圧縮水素(3)液化水素(4)OCH法の4つがあります。