CT報告書7カ月放置…がん疑い見落とし患者死亡 名古屋大病院

記者会見で謝罪する名古屋大病院の石黒直樹院長(右)ら=19日午後、名古屋市
記者会見で謝罪する名古屋大病院の石黒直樹院長(右)ら=19日午後、名古屋市【拡大】

 名古屋大病院は19日、男性患者に大腸がんの疑いがあると指摘したコンピューター断層撮影(CT)検査の報告書を、担当医が約7カ月にわたり確認しなかったため、診断と治療が遅れ、男性が死亡したと発表した。

 病院によると、男性は2014年1月、全身の倦怠感を訴えて自宅近くの医療機関を受診。高度の貧血が見られたため、名古屋大病院に救急搬送され、胸腹部のCT検査を実施した。

 CT画像を見た放射線科の医師が「大腸がんの疑いがある」とする画像診断報告書を作成したが、担当医は報告書を読まなかった。症状が治まったため改善したと判断、男性は退院した。

 男性は、同8月に再び倦怠感などを訴え、同病院を受診。その際、過去に大腸がんの疑いが指摘されていたことが判明した。既に他の臓器にがんが転移しており、男性は昨年9月に自宅で死亡した。