文科省所管法人、スパコン詐欺事件の関連会社に52億円を融資

斉藤元章容疑者(新潟日報社提供)
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  • 林芳正文部科学相

 スーパーコンピューター開発会社「ペジーコンピューティング」(東京)の社長らが助成金をめぐる詐欺容疑で逮捕された事件に絡み、林芳正文部科学相は12日、文科省所管法人の科学技術振興機構(JST)がこれまで同社の関連会社に開発委託費として52億円を融資したと明らかにした。

 林氏は「開発は着実に進展していると評価されていた。対応を検討する」と述べた。融資した全額に担保が付いているという。JSTは「不正な申請との認識はないが、詳しく調べる」としている。

 JSTによると、融資を受けたのは「エクサスケーラー」(東京)。リスクが高い技術開発の費用を無利子で融資するJSTの支援事業に採用された。最長10年間、無利子で融資を受けられ、開発に成功したら全額、失敗したら1割を返済する。東京地検特捜部は5日、詐欺容疑でペジー社の社長斉藤元章容疑者らを逮捕。開発したスパコン「暁光」は、海洋研究開発機構・横浜研究所(横浜市)に設置されている。