「北の対話開始シグナルか」 金大中元大統領の三男、弘傑氏 核戦力宣言分析

 韓国の金大中元大統領の三男、金弘傑氏は、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長に会ったことのある数少ない韓国人の一人で、あまり遠くない将来に2回目の会談を期待している。

 金弘傑氏は6年前、北朝鮮の故金正日総書記の葬儀に出席する訪朝団の一人として金正恩氏と話した。金弘傑氏は南北朝鮮の交流促進を目指す非営利団体のトップに来月就任する。

 金弘傑氏はこのほどインタビューに応じ、「北朝鮮が核戦力の完成を宣言したことから、融和の新時代を迎える可能性はあるかもしれない」と指摘した。金正恩委員長が米国全土を射程に収めたとする新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射試験を実施した後にこう宣言したことについて、「対話開始のシグナルかもしれない。(核戦力の)完成によって金正恩委員長は、ミサイル実験はもう必要なくなるため、韓国や米国との対話を提案できるだろう。新年の演説に盛り込む可能性もある」と分析した。

 米国は対話開始には北朝鮮が核プログラムの放棄に前向きになる必要があると主張しているが、ティラーソン米国務長官は先月、「正式協議に先立ち対話する可能性は想定できる」と述べた。最近平壌を訪問したロシアのビタリー・パシン議員は4日、米本土攻撃も可能な核能力を保有したことで北朝鮮の当局者は1対1の対話もしくは多国間協議の用意があると述べた。

 金弘傑氏が南北朝鮮の懸け橋になれるかどうかは不透明だ。同氏の父は暗殺工作や死刑判決を生き延び大統領に上り詰め、「太陽政策」と称される南北朝鮮緊張緩和政策を取り、韓国人で唯一ノーベル平和賞を受賞。金弘傑氏は父が進めた仕事を継承したい意向で、絶滅の危機にある動物を平壌の動物園に送るといった南北交流の再開構想を3、4カ月前に北朝鮮当局者に話したことを明らかにした。(ブルームバーグ Kanga Kong)