大阪大研究室がセンター試験のムーミン舞台を疑問視 地理Bの設問に指摘

 大学入試センター試験の地理Bで人気キャラクターのムーミンを取り上げた問題について、大阪大大学院のスウェーデン語研究室は15日、「原作ではムーミンの舞台はフィンランドとは断定できない」と疑問視する見解を明らかにした。

 試験問題では「ノルウェーとフィンランドを舞台にしたアニメーション」としてムーミンと「小さなバイキングビッケ」を挙げ、例示した両国の言語との正しい組み合わせを選ぶよう求めた。

 古谷大輔准教授(北欧史)は「スウェーデン語系フィンランド人作家が、スウェーデン語で書いた一連の物語の舞台は、架空の場所のムーミン谷とされる。フィンランドが舞台だと明示されていない」と指摘。「ビッケもノルウェーが舞台とは断言できない」とし、研究室として、舞台の国を特定した根拠の説明を求める意見書を、近く同センターに提出する。

 古谷准教授は「センター試験の社会的信用を維持するためにも根拠を示してほしい」と話す。

 同センターの担当者は取材に「意見書の内容を見て対応を検討する」としている。在日フィンランド大使館の広報担当者は「ムーミンが注目されることはうれしい。ムーミン谷は物語を愛する皆さんの心の中にある」とコメントしている。